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Saturday, July 25, 2020

エッ! 東京も大阪も感染情報収集にまだファクスを使っているの?(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

期待の新システムだったが

 新型コロナウイルス感染状況のデータを収集するため、最初はNESIDというシステムが使われていた。  感染が分かると、まず医師が患者の情報を記した発生届を作成する。それを各医療機関が管轄の保健所にファクスで送信する。受け取った保健所は、記載に不備がないかどうかを確認し、個人情報を黒塗りにするなどして都道府県にファクスで転送する。  データをファクスでやり取りするのでは、当然のことながら、迅速なデータの収集・分析はできない。それだけでなく、誤送など、さまざまな問題が発生した。  そこで、HER-SYSというオンラインのシステムが導入され、5月29日に稼働を開始した。これによって国、自治体、医療機関の迅速な情報共有が可能になり、事務負担の軽減につながると期待された。  ここまでは、7月12日公開の「検証、コロナ情報収集-ネット以前の手書き作業で国民の命は扱われた」で書いた。

東京都では文京区のみ

 ところが、毎日新聞が伝えたところによると、運用開始から1カ月以上が経過したにもかかわらず、HER-SYSの利用は進んでいない(毎日新聞7月5日付「新システム稼働したのに…都内なおファクス報告 コロナ感染、進まぬ情報共有」)。  しかも、驚いたことに、感染者が多い東京都や大阪府で利用開始のメドが立っていない。東京都23区では、試行的に一部利用している文京区を除いては、HER-SYSを利用していないという。  7月3日時点で、保健所を設置する155自治体のうち、43自治体(28%)がまだHER-SYSを利用していない。既存の情報把握システムからの切り替えや、システム上で個人情報を国などに報告することについて、個人情報保護審議会への諮問が必要なためだそうだ。  このため、医療機関から保健所、保健所から都道府県への報告は、依然としてファクスで行われている場合が多い。  HER-SYSを使うにしても、大半の自治体では、医療機関からファクスで患者の報告を受けた後、保健所がHER-SYSへの入力を代行しており、保健所の業務軽減につながっていないという。

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