2021/05/16 11:18 ウェザーニュース
この1週間で国内で観測された地震回数は前週とほぼ同じ水準で、北海道から九州にかけての太平洋側で発生が目立ちます。震度3以上の地震は4回発生しました。(5月10日~5月16日7時の集計)
地震のメカニズムは西北西ー南東南方向に圧力軸をもつ逆断層型と解析されています。2月13日に発生したマグニチュード7.3の地震の震源に近く、余震活動と見られます。一連の活動で最も規模が大きかったのは2月15日に発生したマグニチュード5.5で、今回のマグニチュード6.3は最大規模です。
福島県沖や宮城県沖は今年に入ってからも規模が大きめの地震がしばしば発生しています。国内でも地震活動が非常に活発な地域のひとつですので、定期的に地震対策のチェックなどを行うようにしてください。
トカラ列島近海の地震活動は小康状態でしたが、20日(火)にマグニチュード3.0、震度3の地震が起き、さらに震度4の地震が発生したことで、再度の活発化が心配されました。震度4の地震のあとに最大震度1の地震が4回あったもののすぐに落ち着き、22日(木)以降の有感地震は1回のみです。
日高地方中部は知られている断層帯はほとんどないものの、過去には大きな地震の発生した記録が残っています。2011年9月にはマグニチュード5.1で最大震度5弱。1932年にはマグニチュード6.9で最大震度5(当時の階級)が発生しました。
太平洋プレートが深く沈み込んでいる場所では同様の深発地震がしばしば起き、数年に一度マグニチュード6以上の規模の地震も発生します。一方、一度の地震での余震がほとんどないことも特徴です。
日本時間の12日(水)にインド洋を震源とするマグニチュード6.7の地震が発生しました。震源が島から離れていたため、揺れによる影響は起きていません。震源はインドプレートとアフリカプレートの境界の中央インド洋海嶺付近になります。地震のメカニズムは横ずれ型で、海嶺周辺に発達したトランスフォーム断層で発生した地震です。
中央インド洋海嶺では時々マグニチュード7を超えるような地震も起きており、2003年には今回の震源よりも北でマグニチュード7.6が発生しました。ただ、横ずれ型の地震のため、津波は起きないケースがほとんどです。
規模はそれほど大きくなく、震央付近では日本の震度階級で震度2程度に相当する揺れになったと見られます。日本時間の8日(木)朝にかけて継続し、マグニチュード1以上の地震は100回以上に達しました。
ロサンゼルスなどカリフォルニア州では長大なサンアンドレアス断層がよく知られていますが、今回の震源域はそれよりも少し南に離れた領域です。地震のメカニズムもサンアンドレアス断層付近で多く見られる横ずれ型ではなく、逆断層型と解析されています。地震が集中した地域では小規模な断層帯がいくつも分布しており、これらの活動が関連していると考えられます。
この小規模な断層帯周辺でも過去に大きな地震が発生したケースは見られ、今回の震源より少し北西側では1994年にマグニチュード6.7が起きています。ノースリッジ地震と呼ばれる地震で、ハイウェイが崩壊するなど建築物に大きな被害が発生し、50人以上の方が亡くなりました。
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
からの記事と詳細 ( 週刊地震情報 2021.5.16 14日(金)福島県沖でM6.3 青森〜千葉まで震度3以上 - ウェザーニュース )
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