2019年、TVアニメ『鬼滅の刃』のオープニングテーマ「紅蓮華」が大ヒットとなり、その年の紅白歌合戦にも初出場。いまや日本を代表するアーティストとなったLiSA。『LiSA Another Great Day』 はそんな彼女のソロデビュー10周年プロジェクトに密着したドキュメンタリー。彼女の知られざる素顔に迫りながら、まさに紅蓮華の歌詞のごとき人生を紐解いていく。
「気がついて後ろを振り返ると、残っていたのは音楽だけだった」
『LiSA Another Great Day』は、LiSAの日々の歩みが映像として切り取られているだけでなく、モノローグとして彼女自身が視聴者に対して語りかけてくる。だからこそ本作は、あるアーティストを定点観測で追ったドキュメンタリーにとどまらず、まるで彼女自身のブログを読んでいるかのような、プライベートな素顔を覗き込むことができる。
早く自立したい、早く自分で責任を取れる大人になりたい、そう願っていた子供時代。音楽は彼女にとっての“生きる希望”だった。だからこそ、その夢を決して消す訳にはいかなかったのだ。
岐阜で生まれ育ったひとりの少女が、歌と出会って、アヴリル・ラヴィーンに憧れてバンドを組み、 LiSAという名前で念願のメジャーデビューを果たし、彼女を心から応援してくれるスタッフと共に七転八倒しながら、どのように前へ前へと進んでいったのか。彼女やその家族、友人、スタッフへのインタビューを通して、その真っ直ぐな想いが我々に伝わってくる。
LiSAのアーティスト人生は最初から順風満帆なわけではなかった。
プロのシンガーになりたいという一心で、小学5年生で単身沖縄へ渡り、アクターズスクールでレッスンに励むも、中学2年生で失意の帰郷。紅白出場への想いが詰まったシングル曲「Catch the Moment」を2017年に発表するも、その夢は叶わず。2019年リリースの「紅蓮華」が大ヒットを記録し、遂に念願の紅白歌合戦に出場を果たすのだが、その翌年からコロナ禍となり、活動を自粛せざるをえない状況に。
しかし挫折を経験する中で、LiSAは自分の強さだけではなく、弱さを受け入れることも知る。良いことも悪いことも受け入れることで、目の前に高い壁が立ちはだかっても成長できる自分に期待しているのだ。 一段跳びでスターダムへの階段を駆け上るのではなく、たくさんの挫折を繰り返しながら、彼女はゆっくりと着実にキャリアを積み上げてきたのである。
LiSAというアーティストの魅力は、自分に嘘をつかず、あらゆる困難にも生身でぶつかっていく、その生き様にある。だけど、決して“ただじゃ転ばない”。その度に、自分にできることを地道にやってきた。『LiSA Another Great Day』には、彼女のパワフルなヴォーカルの源泉が何なのか、そのヒントが散りばめられている。
「私は、生まれた頃から“人生は孤独である”と感じているんだと思う」。ドキュメンタリーのなかで、 LiSAはそんな想いを吐露している。だからこそ、彼女は誰よりも家族を、友人を、スタッフを、そしてファンを大切にしてきた。
彼女にとってスタッフとは、マネジメント業務に徹するだけのビジネス・パートナーではない。LiSA というアーティストを共につくっていく、かけがえのない仲間だ。そして彼女にとってファンとは、楽曲を創り続けるための最大の原動力。みんなが楽しんでくれる音楽、LiSAに求めているものを追求することが、彼女のスタイルなのである。
LiSAは自分のものじゃない。周りのみんなが自分を「LiSA」にしてくれる。だから強くなれる。この10年で手に入れたものは仲間なのだ。
今のLiSAを支える過去の自分、周りの人たちを裏切ることはできない。期待にこたえたい、みんなを楽しませたい、その想いがLiSAの軸。誰かのために、どんな困難に直面しても「今日もいい日だ!」と走り続けるLiSAの次の10年に目が離せない。
◆Netflixドキュメンタリー『LiSA Another Great Day』information
Netflixドキュメンタリー『LiSA Another Great Day』全世界独占配信中
Netflix公式:https://www.netflix.com/jp/title/81486328
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