2021/12/19 10:13 ウェザーニュース
トカラ列島近海の群発地震が落ち着いたことが大きく影響しています。この期間に震度3以上の地震は発生していません。(12月13日~19日10時の集計)
気象庁の地震情報で用いる震央地名で「朝鮮半島南部」は朝鮮半島の陸域に加え、チェジュ島周辺の海域まで含んでいて、今回の地震はチェジュ島の南の沖が震央です。
チェジュ島周辺の海域を震源とする地震は非常に少なく、日本国内で震度1以上の有感地震となったのは、今回の震源の少し北で発生した1920年の地震(マグニチュードは不明)と、チェジュ島の東の沖で発生した1969年の地震(マグニチュード5.0)があるだけです。
地震の発生後に周辺で活動が活発になる兆候などは見られていません。
地震のメカニズムは北西ー南東方向に圧力軸をもつ逆断層型と解析されています。
紀伊水道を震源とする地震で震度5弱以上の揺れを観測した記録はないものの、地震計の数が少なかった1948年にはマグニチュード6.7の大きな地震が発生しました。震源に近い地域では激しい揺れに見舞われて、家屋の損壊などにより死傷者が出ています。
日別の地震回数を見ていくと5日(日)が最も多い87回。震度5強の地震が起きた9日(木)は36回とやや多かったものの、10日(金)は5回に留まり、活動全体としては収まる傾向です。
ただ、同じ震度5強の揺れが起きた2000年10月の活動の際は、活発な状態が落ち着いてから約3週間ほど経ってから震度4の地震が発生しました。もうしばらくは強い揺れに対して注意をしておく必要があります。
トカラ列島近海ではこうした群発地震がしばしば発生しています。最近では今年4月9日頃から地震が頻発し、4月10日には1日で100回を超える有感地震が起きました。活動のピークだった10日から12日の3日間で、有感地震は229回、震度3は15回、震度4を5回観測しています。
過去の活動から活発な状況は数日程度続くケースが多く、最大震度は4~5強程度に達する可能性があります。しばらくは強い揺れに対する注意が必要です。
日本時間の14日(火)昼頃にインドネシア・スラウェシ島の南に広がるフローレス海を震源とするマグニチュード7.3、深さ16kmと推定される地震が発生しました。震源が浅く規模が大きかったため津波の発生が懸念されましたが、メカニズムが横ずれ型だったこともあり、影響はありませんでした。
今回の震源はオーストラリアプレートとユーラシアプレートの境界の少し北側で、マグニチュード7以上の大きな地震が時々発生しています。ただ、大きな地震はプレートが沈み込んだ深い所で発生する深発地震が多く、1996年にはマグニチュード7.9が起きました。浅い震源でマグニチュード7以上の地震に限定すると、1927年まで遡ります。
震源が10km未満と浅く、陸域の地震だったため震央周辺では改正メルカリ震度階級のⅦ程度の揺れがあったと見られます。厳密な比較はできないものの、日本の気象庁震度階級に換算すると震度5弱程度に相当する揺れです。震央の近くでは建物の倒壊が発生し、現地当局によると亡くなった方もいるとのことです。
ギリシャ周辺はユーラシアプレートとアフリカプレートに挟まれており、その間にはアナトリアプレートと呼ばれるマイクロプレートがあるとされています。これらのプレートの運動により、幾度となく大きな地震の被害に見舞われています。
クレタ島周辺でもマグニチュード6を上回るような地震が時々発生し、最近では1994年にクレタ島北岸でマグニチュード6.1、1959年には今回と同じように島の陸域を震源とするマグニチュード6.1の地震が起きました。
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
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