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Monday, September 27, 2021

虐待情報「全件共有」に「抜け穴」、市町村の受理事案は対象外…熱湯3歳児殺害 - 読売新聞

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 大阪府摂津市で新村 桜利斗おりと ちゃん(3)が熱湯をかけられて死亡し、母親の交際相手が逮捕された事件で、市と児童相談所が事件約1か月前に桜利斗ちゃんの家庭について「第三者からの暴力を止められないネグレクト(育児放棄)」と判定していたことがわかった。その後も一時保護などの対応は取られず、従来通りの見守りが継続されていた。行政側の認識の甘さが浮き彫りになっている。

     ◇

 桜利斗ちゃんに関する情報は、事件が起きるまで府警に届いていなかった。府には児相が受理した虐待情報を警察に伝える「全件共有」の仕組みがあったが、抜け穴が露呈した形だ。

 府は、児相と警察が情報をダブルチェックし、虐待の兆候を見逃さないよう、2018年8月に取り組みを始め、今年4月から府内の全児相に広がった。

 対象は、児相が通告を受けた虐待に関する情報のすべてで、結果的に「虐待なし」と判断したケースも含め、保護者の名前や事案の中身を府警に提供。府が月1回、一覧表の形で府警に送り、昨年度は月700~1500件に上る。

 しかし、市町村が通告を受けた事案は全件共有の対象外で、今回も摂津市に情報が直接寄せられ、市が主体で対応した案件だった。児相は情報を把握していたが、「緊急性が低い」との認識で府警には伝えていなかった。府は全件共有のあり方についても有識者でつくる専門部会で検証する。

 府警は、共有した情報で「虐待あり」とされている事案については警察官が家庭訪問を実施。保護者の了解を得て、子どもの服を脱がせてあざやけがの有無を確認したり、親子から話を聞き取ったりしている。

  関西国際大の道中隆教授(社会保障論)の話 「市町村の職員は人事異動が頻繁で経験も少なく、今回のケースは児相が積極的に関与すべきだった。自治体も児相もSOSに的確に反応できる知識と経験がある人材を育成する必要がある。自治体と児相が対応を協議する会議には警察官や民生委員らも参加させ、幅広く情報共有してリスクを察知する網を広げる方が良い」

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