リモートワークが長引く中、営業現場の生産性が低下
コロナ禍における最初の緊急事態宣言から約1年半が経過した。多くの企業が、試行錯誤を繰り返しながらリモートワークを実践し、事業や顧客対応の維持・継続に努めてきたことだろう。
顧客接点のフロントラインを担う営業部門でも、「オフィス出社」と「客先訪問」を軸とした従来型の営業活動は困難になっている。自宅やサテライトオフィスから“リモート営業”を行う組織も少なくないはずだ。
そんな中、多くの営業部門が直面しているのが、組織内の情報をいかに共有し、活用するかという問題である。
というのも、顧客の情報や過去の商談履歴などは、これまで営業担当者ごとのローカルPC上で、Excelファイルで管理されてきたケースが多い。以前は、手元に情報がなければ出社時にほかの担当者に口頭で尋ねて入手するといったことが自然に行われていた。ところが、各人が物理的に離れた場所で働いている現在は、なかなかそうしたことがままならない。「担当者に当たりを付け、メール・電話で連絡してファイルが送られてくるのを待つ」といった手間が必要になり、これが営業活動の非効率化、生産性低下につながっている。
同様に、この状況は営業マネージャーの業務にも新たな課題を生んでいる。各担当者と直接会う機会が減ったことで、彼/彼女らの活動が「日報」「報告書」レベルの断片的な情報でしか捉えられなくなっている。これでは顧客との関係性の微妙な変化が把握できず、的確なフォローを行うことが難しい。チーム全体の活動が見えず、部門の営業戦略の立案も困難になる。
もちろん、この状況が一過性のものならしばらく耐え忍べばよいだろう。だが、コロナ禍で確立されつつある新しい働き方は今後、ニューノーマルとして定着していく公算が大きい。つまりこれからの営業部門は、新しい働き方の中でいかにして生産性を高め、営業成果を上げ続けていくかを考える必要がある。カギを握るのは、オフィス/リモート環境のどこにいても、組織内の情報を円滑に共有・活用できる仕組みを構築することだ。具体的な手法について、次ページ以降で考えてみよう。
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