社員に情報を隠す会社と、社員に情報を出す会社。一昔前ならどちらも成立したが、今や「ガラス張り経営」は必須だ。ただし、導入したものの、途中で挫折する会社も実は多い。ガラス張り経営の導入後に起きる混乱を整理し、それを未然に防ぐ方法、対処する方法を事例で考える。
(写真/PIXTA)
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・経営数値を共有するのは無意味?(3月5日公開)
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社員の立場で考え、公私混同は徹底排除
デルタ(求人広告代理店)
ガラス張り経営をためらう経営者は「交際費の使い過ぎ」「役員報酬の取り過ぎ」を社員に指摘されるからという意見が多い。事実、中途半端な情報公開は社員のモチベーションを下げかねない。
今回から、4社の事例を順に紹介しよう。ガラス張りに伴う「よくあるトラブル」をどう未然に防いだのか、あるいは対処したのか。各ケースのポイントになる部分には番号を振り、別途解説をしているので、参考にしてほしい。最初は「公私混同」について──。
デルタ(東京・中央)の平井健一社長が経営数値の公開を本格的に始めたのは、2010年からだという。1970年に創業した先代から株を買い取り、2代目社長に就いたのが2007年。直後にリーマン・ショックが発生し、求人広告の代理店事業などを手がけるデルタは危機に瀕した。
右から3人目が平井社長。社員とのコミュニケーション量は多い
「リーマンの傷が癒えかけた頃に、こういう方向で会社を前に進めたいという事業プランを社員に示した。以来、経営情報の共有レベルを年々高めてきた」と平井社長は言う。特に、17年に証券会社出身の岸学・取締役経営管理本部長が入社してからは二人三脚で、より数値管理の体制を整えた。
現在、部長クラスは役員会に出席可能で、月次損益を細かく共有。四半期ごとに課長以下の全社員を対象に売上高、粗利益、各種経費、営業利益、経常利益まで公開、説明する。グループ計の売上高は約36億円で社員は国内外に470人。その全員と情報共有する。
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