2020/12/20 11:23 ウェザーニュース
この1週間で、国内で観測された地震回数は前週に比べると大幅に増加しました。震度3以上の地震は6回発生しています。全体的に太平洋側での地震が目立っている状況です。(12月14日~12月20日10時の集計)
気象庁は地震のメカニズムを北北西ー南南東方向に圧力軸を持つ、横ずれ型と解析しています。
周辺ではその後も有感地震が相次いで発生し、20時20分に震度3、20時36分に震度4、21時39分に震度3の揺れをいずれも利島で観測。19日(土)になり、震度3以上の地震は発生していないものの、有感地震の多い状況は継続しています。
伊豆諸島では過去にもいわゆる「群発地震」がしばしば発生しており、最近では、伊豆大島近海で2019年11月や2019年2月。新島・神津島近海で2018年4月に地震が多発しました。震源に近い島ではしばらくの間、強い揺れを伴う地震の可能性がありますので、注意が必要です。
今回の地震が発生した茨城県南部の深さ50km前後は、フィリピン海プレートと北米プレートの境界付近で、「地震の巣」とも呼べるような地震の多い領域です。茨城県南部を震源とする最大震度3以上の地震は今年になってからでも9回目になります。
今回の地震は、千島海溝から北西に向かって沈み込む太平洋プレートの深部で発生した地震とみられます。
太平洋プレートが深く沈み込んでいる場所では同様の深発地震がしばしば起き、数年に一度マグニチュード6以上の規模の地震も発生します。一方、一度の地震での余震がほとんどないことも特徴です。
前述した2013年にオホーツク海で発生したマグニチュード8.3の地震では、最大震度こそ3に留まったものの、震度1以上の揺れは九州まで到達しました。深発地震でも規模が大きくなると揺れの影響が出てきますので、油断が出来ません。
フィリピン付近はフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界に位置し、日本と同様にプレート境界型の地震が多く発生します。今回の地震のメカニズムは東西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、プレート境界で起きる地震で良く見られるパターンです。
ミンダナオ島の南では今年に入ってからもマグニチュード6以上の地震が2月と3月に発生しており、2017年4月にはマグニチュード6.9の地震が起きています。震源が陸地に近い場合は強い揺れを伴い、規模が大きくなれば津波の発生リスクもあるエリアになります。
今回の震源はアナトリアプレートの西側の領域にあたり、南北に引っ張られる動きをしていると考えられています。地震のメカニズムは南北方向に張力軸を持つ正断層型と解析され、考えられている動きと調和的です。2017年に同じトルコ西岸で発生したマグニチュード6.6の地震も正断層型と解析されています。
マグニチュード5を超えるような余震が発生しており、救出・復旧活動への影響やダメージを受けた建物の新たな倒壊などが心配されます。
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
からの記事と詳細 ( 週刊地震情報 2020.12.20 伊豆諸島・利島で18日(金)に震度5弱 震度3以上の地震が相次ぐ - ウェザーニュース )
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