星街すいせい&TAKU INOUEによる音楽プロジェクトMidnight Grand Orchestraの最新MV『Igniter』。本作の制作を担当したwanoco4D監督とKASSENスタッフに話を伺った。
CGの強みを活かしたサイバーパンク X 星街すいせいの世界観
2022年より始動したVTuber・星街すいせいと作曲家TAKU INOUEによる音楽プロジェクトMidnight Grand Orchestraの楽曲『Igniter』。疾走感のあるトラックと星街すいせいの透き通るような歌声が特徴の曲をフルCGのMVで表現したwanoco4D氏率いるKASSENチーム。
近未来感漂う宇宙都市を舞台に星街すいせいがバイクで駆け巡る姿が印象的な本作。フルCGでMVを作るにあたって、宇宙で行われる生きるか死ぬかの戦いをストレートに見せたかったと語る監督のwanoco 4D氏。1分程に及ぶバイク走行シーンでは、シームレスなアニメーションをカメラカットをこまめに切り替えて臨場感を演出した。カメラカットは『スタートレック』や『STAR WARS』シリーズといったSF作品から着想を得たと言う。
こだわりのカワイイ”すいちゃん"を演出
「このMVはバイクでのアニメーションやサイバーパンクな世界観が魅力だとは思うのですが、やはり星街すいせいという確固たるキャラクターがあっての作品なので、星街さんがかわいく映るショットをMVの要所で散りばめました。」(wanoco4D)。
星街すいせいが画面内でメインとなるショットでは環境デザインを意図的に無視し、すいちゃん(星街すいせいの愛称)をかわいく映すためのライティングを設定した。
VTuber・星街すいせいと言えばシェーディングをなくしたフラットでセルルックなイメ―ジが強い。3D的な造形を目指しながらも、視聴者が星街すいせいに対して抱くイメージから離れすぎないようモデル制作には細心の注意を払った。顔の輪郭や各パーツなどのプロポーションは星街すいせい公式3Dモデルに寄せつつも、目の描きこみや顔周りの陰影は厚塗り2Dイラストを参考にすることにより違和感の無い自然な3Dルックを作り上げた。特に、キャラクターの印象を大きく左右する目元に関してはまつ毛の量をコントロールすることでセルルックな印象に近付けた。
従来のイラストから一新したバイクモデル
緻密に作り上げた広大なワールド
短期間での制作を可能にするKASSENチーム連携
本作品に企画から完成までに要した期間は僅か3か月。平均年齢25歳という若さ溢れるチームは和気あいあいとしてとしている。昨年移転したKASSEN新オフィスにて、リモートではなく基本出社形式で密なコミュニケーションを取ったことが重要だったという。レンダリングにはEeveeを用い、コンポジット&グレーディングには結果がタイムラインに即座に反映されるFlameを選択することにより作業時間の短縮を図った。浮いた時間でブラッシュアップ作業を繰り返すことにより、クオリティの向上&短期間での完成を実現した。
KASSENについて
KASSEN
2020年12月に設立したVFXスタジオ。
たくさんの人々が共通の目的を持って戦う様をイメージして合戦(カッセン)と名付けました。
様々なアーティストとのコラボレーション、複数のセクションを横断したワークフローの提案を武器に、最高の作品作りを日々追求しています。
Visual Effects(CG/VFX)、EDIT、Color Grading、Shooting、Animation、Directionと幅広いセクションを備えています。
からの記事と詳細 ( Blenderアーティスト・wanoco4D監督率いるKASSEN若手チームが奮闘! Midnight Grand Orchestra『Igniter』MV - CGWORLD.jp )
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