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Friday, July 7, 2023

桜田通大歓声に沸いたアーティストデビュー記念ツアー 歌に乗せて届ける一貫した思い - Real Sound

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 5月12日、ポニーキャニオンの新レーベル「Pandrec」からアーティストデビューを果たした俳優の桜田通。デビュー記念ツアーである『Dori Sakurada Debut Tour 2023 "Retrograde Satellite"』が、5月26日に開幕した。ツアーの開催は、2022年2月に全国4都市をまわった『Dori Sakurada ZEPP TOUR 2022 Anniversary to the next level』以来、約1年ぶり。デビュー曲「MIRAI」の他にも新曲が披露されるなど、様々なサプライズが仕掛けられていた本ツアー、最終公演のレポートをお届けしたい。

 開演前の場内に、グローバルボーイズグループ・JO1の「Trigger」が流れている。ツアーラストのZepp Hanedaには、約1,200人のファンが集まった。BGMが止み、暗転とともに、キーボードのサウンドが響き始める。いつの間にかバンドメンバーがステージに現れ、続いて、ステージ中央から真っ白な光を背負って桜田が登場した。

 オープニングの「Brand New World」に続き、2曲目は、早くも新曲「Moon and Back」を披露。「Moon and Back」を直訳すると「月への往復」だが、転じて「月に行って戻ってくる遠い距離も厭わないほど、あなたのことが好き」という意味で使われる。ラブソングかと思いきや〈笑われたっていい/as you like it/生き抜いて/誰のものでもない/as you like it/let’s take the universe〉というリリックからは「自分らしく生きていこう」という変わらぬメッセージが感じ取れた。

 「いま出ている作品で、すごく大切な仲間に出会いました。名古屋ではその仲間たちが応援に駆け付けてくれて。僕にとって大事な作品ですし、この曲も大好きになりました」というMCに続いて、ドラマ『クールドジ男子』(テレビ東京系)のエンディングテーマ・NCT 127の「Sunny Road」をカバー。スクリーンにはドラマのカットが映し出され、桜田が演じた三間貴之をはじめとする「クールでドジ」な男子たちの笑顔が、会場に華を添える。

 4曲目の「限りある日々」は、2018年に開催された『Sakura da Festa 生誕祭Tour~progress forward~』で初めて披露された。時間は誰にも平等に流れるが、限りある日々をどう使うかは自分次第。ただ好きで音楽を始め、アーティストデビューまでたどり着いた桜田は〈死ぬも生きるも自由の命を/いつからか誰かとROCKに使って〉というリリックを、どんな思いで歌っただろうか。

 桜田は、ここ数年、インタビューで「人を信じられるようになった」と度々口にしてきた。そうした意識の変化が、作る曲にも現れている気がする。恒例のナンバー「Don't step on Me」の〈私に構わないで/離れにくくなるから/you know?〉と、今ツアー2曲目の新曲で歌われた〈愛しているが届くように/傍にいるから/もう1人にはしない/I let you know〉というフレーズは、どちらも他人との距離感に触れていながら、非常に対照的だ。

 「ツアーって、お客さんと一緒に作っていくものだなっていうのが、新曲だとより実感できます。じゃあちょっと、作戦会議してくるので、慎之助さん、繋いでおいてください」と、突然、袖にはけて行く桜田。MCを任された慎之助(Ba)は「マジすか?」と戸惑いながらも、なんだか嬉しそうだ。桜田の音楽活動に初期から関わってきた慎之助としても、このデビューツアーは感慨深いものがあるのだろう。

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