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Thursday, November 10, 2022

現代美術家 鬼頭健吾と、3名の若手アーティスト三浦光雅、井上七海、長田綾美による展示「over and over」が「装い」を愉しむ京都のラグジュアリーホテル「MOGANA」に... - PR TIMES

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鬼頭健吾《cartwheel galaxy》2022 鬼頭健吾《cartwheel galaxy》2022

本展は、フラフープやスカーフなど日常にあるものを使い、色彩的な感度を拡張する作品で国内外から高い評価を受ける現代美術家鬼頭健吾と、3名の若手アーティストによって構成されます。ひたすらに線を引く⾏為を繰り返し、その反復した⾏動のなかで⽣じる線のズレや絵具溜まりなどの痕跡を残す井上七海。乱数による指⽰を元にイメージを作り上げることで、制作過程で⽣じる躊躇いを排除し、無意識的で純粋な⾏為を画⾯に映し出す三浦光雅。ブルーシートや不織布などの⽇⽤品に、ごく単純で規則的な絞る・織るといった染織⾏為を執拗に重ねることで⽇常をリフレームする⻑⽥綾美。

展覧会タイトルの「over and over」は、それぞれの作品に共通する脱中心的でオールオーバーな表現から連想し、「何度も繰り返して」という作業性の強さを含んでいます。⽇々の労働や仕事など、私たちの⽣産活動は共有可能で誰もが日常的に反復、実践しています。そのような当たり前の⽣活を、極限まで捨象しても残る微かなイメージや、それに伴う運動の痕跡を作品内にとどめ、高い純度で抽出した何かをこの4名のアーティストは見せようとします。特に、三浦、井上、長田3⼈に共通する、永続的に反復可能で収束点を持たない制作⽅法は常に沈黙状態を維持し、完結することを拒みます。また、彼女・彼らは作業性を強め、規格や乱数を使⽤し「選択をする作業」を半ば⾃動的に⾏い、無意識性を強調させます。それは、消極的な制作⽅法と捉えることもできますが、その⼀⽅で途⽅もない時間感覚、膨⼤な作業量を⼀気に引き受けるという忍耐⼒を必要とするのです。 近代的な科学、合理主義により、豊かで自由な社会を築けると思われた私たちの世界は、未だ先の見えない紛争や疫病の渦中にいます。本展覧会を通し、どこへ向かうのか分からない答えのない世界に対して、「考え続ける/⾏動し続ける」という痕跡の⽚鱗が少しでも垣間⾒えることに期待しています。是非ご高覧下さい。

 ■開催概要
「over and over」
会期: 2022年11月14日 (土) - 11月20日(日)
開廊時間: 10:00 – 18:00
※入場無料
協力: MtK Contemporary Art

 ■参加アーティスト(50音順※敬称略)
鬼頭健吾、三浦光雅、井上七海、長田綾美

■会場
MOGANA
〒604-8276 京都市中京区小川通御池下ル壺屋町450                        
アクセス:京都市営地下鉄「二条城前駅」より徒歩4分、
京都市営地下鉄「烏丸御池駅」より徒歩約7分、
JR「京都駅」よりお車にて約15分
URL: https://yadomogana.com
TEL: 075-606-5281/+81-75-606-5281
EMAIL: info@yadomogana.com

■アーティスト 
鬼頭健吾 | Kengo Kito

1977年愛知県生まれ。京都芸術大学大学院教授。2001年名古屋芸術大学絵画科洋画コース卒業後、2003年京都市立芸術大学大学院美術研究科油画修了。主な個展にハラミュージアムアーク「Maltiple Star I, II, III」展、グループ展には、森美術館「六本木クロッシング2007 : 未来への脈動」展、国立新美術館「アーティスト・ファイル」展、エルミタージュ美術館「Mono No Aware」展、高松市美術館「ギホウのヒミツ」展がある。2020年には、京都市京セラ美術館にてリニューオープン後、初の展覧会として個展「Full Lightness」が開催された。2008年五島記念文化賞を受賞しニューヨークに1年滞在し、その後ドイツ、ベルリンにて制作活動。フラフープやシャンプーボトルなど、工業製品の現代的なカラフルさと、生命体や宇宙を感じさせるような広がりを融合させた作品で、国内外から高い評価を受ける。

三浦光雅 | Koga Miura

1997年山口県生まれ。2019年京都造形芸術大学美術工芸学科油画コース卒業。2021年京都芸術大学大学院 芸術専攻美術工芸領域修了。「意識と無意識の境界」の模索をテーマに、平面作品を制作している。イメージを形にしていく過程で生じる恣意性を低減させるために、配色や構図をあらかじめ乱数の指示によって決定し、手作業によって形にする手法を主にとっている。指示通りの単純作業の繰返しによって生まれる機械的な印象と、手作業によって描くことで生まれる変則的な表情が画面に混在することで、自身の想定と想定外の現象の両方を感知することができる。想定と想定外を行き来する事で、自身の思惑とは裏腹に存在する様々な外的な要因が相まることで生まれる美しさを表現しようと試みている。

井上七海 | Nanami Inoue 

1996年、愛知県⽣まれ。2019年名古屋芸術⼤学美術学部美術学科洋画2コース卒業。2021 年京都芸術⼤学⼤学院修⼠課程美術⼯芸領域油画分野修了。現在は、愛知県を拠点に活動。「線を引く」という単一行為の反復によって「何かを描く」というイメージの呪縛から絵画を解放させることを試みる。機械的にも見える身体的な反復は精度を増すほど機械との違いを絵画のイメージ内に痕跡として残す。意図せずに生まれるその差異はデジタル化が進む世界の中にあって「0」から「1」を生み出すことを求められる時代に、「0」と「1」との間には「無限」があることを気づかせてくれる。

長田綾美 | Ayami Nagata

1997年大阪府生まれ。2020年京都芸術大学美術工芸学科染織テキスタイルコース 卒業。2022年京都芸術大学大学院美術工芸領域染織テキスタイル分野修了。「日常をリフレームする」というテーマをもとに、ブルーシート・輪ゴム・バラス石・不織布・水糸などの工業製品を素材に用いたり、スマートフォンで文字を打つ際の「フリック操作」といった日常の中のさりげない行為を手掛かりに制作に繋げている。誰にも身近なそれらを作品に落とし込む中で、モノの価値や行為が持つ意味について、改めて見つめ直すきっかけを作ると同時に、規則的な行為を膨大に繰り返すことから見えてくるものについても興味を持っている。ごく単純な、絞る・織るなどの染織技法を一つの対象に執拗に重ねていく。その行為に付随する身体感覚との連動性から生じる自身の物作りに対する衝動や執着を具体化することも試みている。

■作品

鬼頭健吾《cartwheel galaxy》2022 鬼頭健吾《cartwheel galaxy》2022

三浦光雅《void (pale)》2022三浦光雅《void (pale)》2022

井上七海《スフ_26》2022井上七海《スフ_26》2022

長田綾美《floating ballast》2022長田綾美《floating ballast》2022

 

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