シンガー・ソングライター小田和正(74)が3日、福島・郡山のビッグパレットふくしまで、3年ぶりの全国アリーナツアー「こんど、君と」初日公演を行った。国内アーティスト史上最年長でのアリーナツアーの開幕に、感極まった。

19年7月31日の前ツアー千秋楽公演(愛媛県武道館)で「また会おうぜ!!」と約束した単独公演のステージに、1038日ぶりに帰ってきた。「皆さん元気だったでしょうか?」。前日までの不安も何のその。「こうしてみんなが集まってくれたんだと一同ホッとしております」と話すと、待ちわびた5500人から温かい拍手が起こった。

コロナ禍の影響で、恒例だったステージ上の客席(オンステージシート)は設置できず。客席を練り歩き、観客にマイクを向けて一緒に歌うこともできなかった。コロナ禍で制作した「こんど、君と」の「♪声を合わせて あの歌を いつか みんなでまた うたおう」という歌詞に言葉が詰まり、目頭を押さえ、感極まる場面もあった。

それでも新曲の「ナカマ」の初披露や、代表曲「ラブ・ストーリーは突然に」などで変わりない美声を響かせ、オフコース時代の楽曲を当時のアレンジで披露する場面も。全長160メートルの花道を時折走るなど、何度も動き回った。

74歳8カ月。古希を迎えてから2度目のツアーは、昨年10~12月の矢沢永吉の72歳1カ月を抜いて、国内アーティストのアリーナツアー最年長記録だ。今回も週末を中心に、この日発表された10月の神戸ワールド記念ホール追加公演を含めて、11月の横浜アリーナ公演まで16カ所34公演(31万人動員予定)を回る。

ツアー中の9月に75歳を迎えるが、まだまだ元気。「楽しく! 楽しく! この楽しさを最終日までどんどん膨らませていって大きく駆け抜ける…。それがテーマです!」と力強く宣言した。【大友陽平】