2021/11/28 10:48 ウェザーニュース
特に地震が集中している地域は見られず、北海道から南西諸島まで広い範囲で発生しています。この期間に震度3以上の地震は2回発生し、いずれも東北の太平洋側を震源とする地震です。(11月22日~28日10時の集計)
また、翌日24日(水)17時06分頃には岩手県沖を震源とするマグニチュード4.7、深さ48kmと推定される地震が発生し、岩手県大船渡市や釜石市、北上市などで最大震度3を観測しました。
地震のメカニズムはいずれも北西ー南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。
宮城県・岩手県の県境付近から沖合にかけての震源分布と見ると、今回の震源は地震が集中している所に比べるとやや西側に当たります。深さで見るとちょうど地震が多発している領域で、沈み込む太平洋プレートと陸側のプレートの境界付近とみられます。
東日本大震災を引き起こした超巨大地震以降、三陸沖は地震の多い状況が続いています。いつ強い地震が起きてもおかしくない地域ですので、普段からの地震や津波対策が欠かせません。
東京都23区を震源とする震度3以上の地震は2019年10月以来、2年ぶりになります。また、今回と同じように深さ100km前後の深い所で起きたものに限定すると、1992年4月以来、29年ぶりです。
東京の地下ではいくつかの地震の多い深さがあります。深さ20~30km前後の比較的浅い地震が最も多く、2019年の地震は深さ27kmとこの辺りです。深さ80~90km前後も比較的地震が多く、今回の地震はこれに当たります。さらに深い120km前後にも地震の多い領域があり、関東の地下の複雑なプレート構造を示していると考えられます。
震源の浅い地震では震央から同心円状に揺れの強い地域が分布することが多いものの、深発地震では地震波が伝わりやすい太平洋プレートに沿って遠方の地域に揺れが伝わる「異常震域」と呼ばれる震度分布となることがあります。
「異常震域」は大きな深発地震が起きた時、ごく普通に見られます。頻度が高い震源が浅い地震と違った震度分布であるため、「異常」という用語が使われており、現象そのものは異常ではありません。
太平洋プレートが深く沈み込んでいるオホーツク海、三重県南東沖から東海道南方沖、鳥島近海などでは同様の深発地震が発生することがしばしばあり、マグニチュード7以上の規模の地震も発生します。
2015年5月には小笠原諸島西方沖でマグニチュード8.1の地震が起きて、遠く離れた神奈川県二宮町で震度5強を観測しています。
日本時間の26日(金)朝にミャンマーの北西部を震源とする、マグニチュード6.2、深さ43kmの地震が発生しました。陸域のやや浅い地震で、震央周辺では強い揺れとなりました。ただ、山間部で人が住んでいる地域からは離れていたため、地震による被害が出ていません。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。
ミャンマーの西部はインド・オーストラリアプレートとユーラシアプレートの境界に位置しています。マグニチュード6を超える地震は時々発生しており、今回の震源の北東側では、1946年と少し古いものの、マグニチュード8.0の巨大地震が発生した記録が残っています。
震源が10km未満と浅く、陸域の地震だったため震央周辺では改正メルカリ震度階級のⅦ程度の揺れがあったと見られます。厳密な比較はできないものの、日本の気象庁震度階級に換算すると震度5弱程度に相当する揺れです。震央の近くでは建物の倒壊が発生し、現地当局によると亡くなった方もいるとのことです。
ギリシャ周辺はユーラシアプレートとアフリカプレートに挟まれており、その間にはアナトリアプレートと呼ばれるマイクロプレートがあるとされています。これらのプレートの運動により、幾度となく大きな地震の被害に見舞われています。
クレタ島周辺でもマグニチュード6を上回るような地震が時々発生し、最近では1994年にクレタ島北岸でマグニチュード6.1、1959年には今回と同じように島の陸域を震源とするマグニチュード6.1の地震が起きました。
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
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