行政のデジタル化が課題となる中、特定のIT企業が契約を続け、他社の参入が難しくなる「ベンダーロックイン」と呼ばれる状況が独占禁止法上の問題につながっていないか、公正取引委員会が行政機関への調査を始めました。
「ベンダーロックイン」は、情報システムが独自の仕様となった結果、導入したIT企業以外が改修やメンテナンスを行えず、他社の参入が難しくなる状況のことです。
専門的な人材が不足している行政機関の契約では、ベンダーロックインによって、特定の企業が受注を続ける問題が指摘されていて、デジタル化を進めるうえで、その解消が大きな課題となっています。
こうした中、公正取引委員会は、今月から中央省庁やすべての都道府県や市町村など、合わせて1800の行政機関を対象に、情報システムの契約の実態調査を始めました。
行政側の体制や契約の状況のほか、企業側が、自社だけが対応できる仕様を求めていないかなどについて、アンケートや聞き取りを行い、独占禁止法上の問題がないか調べることにしています。
この問題については先月、会計検査院が、平成30年度に各省庁が行ったシステム改修の競争入札のうち、参加した業者が1つだけだった「1者応札」が94%を占めたとして、競争性の確保が必要だと指摘しています。
公共事業の契約に詳しい上智大学法学部の楠茂樹教授は、「以前は談合が大きな論点だったが、今、情報システムの分野では、特定の企業が独占する懸念が焦点になっている。各社が参入できる仕組み作りが必要で、技術的な問題などを把握することが重要だ」と話しています。
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