中央の画壇で有望な若手アーティストとして注目される石巻市出身の高橋梨紗さん(26)=埼玉県戸田市=が、東京都内で開催される二つの絵画展で新作を発表する。28日に開幕する「good luck」と、7月に開催される抽象表現展「talk to」。感性の赴くままに独創的な世界を創りだす高橋さんの抽象画がコロナ禍の美術ファンの心を癒やす。
「good luck」は公募展「国展」(国画会主催)で活躍する若手8人を集めた作品展。高橋さんはその一人に選ばれた。高橋さんは第95回国展絵画の部に「いのちの見えかた」(F130号、アクリル・ボールペン)を出品、前回に続いて奨励賞を受賞した。だが5月に予定されていた第95回国展は新型コロナウイルス対策に伴う緊急事態宣言の発令を受けて開催中止になった。「good luck」は国画会が若手に作品の発表の場を与えようと企画。高橋さんは「いのちの見えかた」と小品1点の合わせて2点を展示する。会期は7月4日まで。会場は東京・銀座のギャラリー向日葵。
抽象表現展「talk to」はデザイン・フェスタ・ギャラリー原宿の企画展で、抽象表現に取り組むアーティストたちによる合同展。高橋さんの参加は、東京家政大学(家政学部造形表現学科)時代の仲間たちと作品展をデザイン・フェスタ・ギャラリー原宿で昨年と今年開いたのが縁。新作を出展する予定。会期は7月11~18日。
両会場とも入場無料。
高橋さんは「ようやく『いのちの見えかた』を見てもらえる機会ができてうれしい。抽象表現展には小品を10点程度、出すつもり」と話す。
都内の会社に勤務する傍ら制作に励む高橋さん。秋には上野の都美術館で開催される国展受賞作家展に参加する。コロナ禍だからこそ「アートは人間が人間であるために必要」と強調。アートの力を信じ抽象表現の可能性を追求し続ける。
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