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Monday, July 27, 2020

豪雨被災の村民へ手作り広報紙 球磨村の若手職員が1人で編集印刷 - 西日本新聞

 熊本県南部の豪雨で甚大な被害が出た球磨村で、若手広報マンが奮闘している。球磨川の氾濫で幹線道路は寸断し、インターネットは一時不通になった。村内外の避難所に身を寄せる住民に情報を届けるため、広報担当の野々原真矢さん(32)は臨時の手作り広報紙を作成し、情報発信を続けている。

 「応急仮設住宅を設置します」「住民票が他市町村で発行可能に」-。14日から発行を始めた広報には、被災者に役立つ道路復旧の状況や災害ごみ仮置き場に関する情報を詰め込む。「村民と役場をつなぐのが広報の役割」。野々原さんは力を込める。

 豪雨に関する情報は当初、防災無線や会員制交流サイト(SNS)のフェイスブックを使って発信していた。だが、防災無線が壊れて聞こえない地域も発生、インターネット回線は村の広範囲で断線した。村民からは「情報が届いていない」との声も寄せられた。

 村は人口約3500人で高齢化率50%が目前に迫り、SNSでの情報発信には限界がある。平常時の広報発行は基本的に月1回だが、高齢者にも伝えやすい紙での臨時発行を決めた。

 毎夕に開催される災害対策本部会議では、さまざまな部署が情報を報告する。野々原さんは関係者と臨時広報に載せる内容を調整し、編集や印刷を含め1人で手掛ける。開始からしばらくは毎日、現在も数日に1回ペースで計千部を避難所などに同僚と配布。「情報が日々更新されていくので、できるだけ新しい情報を提供したい。災害で役場の重要性はさらに増していると思う」と語る。

 地元の高校を卒業後、19歳で村役場に就職。生まれ育った村を支えたいとの思いがあった。豪雨で見慣れた村の景色は一変し、自然の怖さも思い知った。人口流出に加え、地域のコミュニティーの維持など心配は尽きない。「今まで以上にもっと安心・安全な村にして、村外に避難する人に帰って住んでいただきたい。村を元通り、それ以上にせんばいけんという使命感が強い」と前を向く。

 所属部署は今月1日に名前が変わり「ふるさと創生課」になった。臨時広報とともに、村のSNSの更新も続ける。「村民だけでなく全国に村の情報を届け、復興を応援してもらいたい」。ふるさとの再生に向け、最前線で情報発信を続ける覚悟だ。(具志堅聡)

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July 27, 2020 at 09:10AM
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