Pages

Sunday, May 26, 2024

アンジェリーナ・ジョリーと学ぶ日本の文化と、いちアーティストとして彼女が考えるサステナブルなものづくりの ... - VOGUE JAPAN

bintangsef.blogspot.com

今回東京近郊で行われた撮影に対しては、こう本音を語ってくれた。「元来私は媒体問わず、ファッション撮影のようなことは、モノを売るのに協力している気がして、あまりいい気持ちはしないんです。ですが、撮影というのはもともと創造性と人々が一つになるためのものであるとも思っています。うれしいことに今回の撮影は、そういった撮影本来の目的を実現することができました。日本の文化を理解したふりをするつもりはありませんが、長く壮大な歴史の中で培われてきた技や慣習について学ぶことには大きな意義があると思っていました。なんでしたっけ? 無駄にしないという意味の日本語がありますよね? そう、『もったいない』。何かのムーブメントのようなものがあったわけではなく、モノ、技術、時間、それらをすべて尊ぶ。日本社会で自然とその概念が発展していったことが、この国の文化のすべてを語っていると実感しました」

今回の撮影でジョリーが着用したものは、彼女の強い希望ですべてサステナブルなアイテムで揃えられた。ジョリーは自ら体験することを、シェイクスピアの芝居に例える。

「何年も会話をするより、1時間の芝居を観るほうがより多くのことを学べるように構成されている、シェイクスピアの芝居に近い体験なのだと思います。実際に、藍染め体験においては、何世代も続く一家と話をし、少年を中心にみんなが笑顔になってつながり、そして新たなモノを創りだした。あの工房で一家と一緒に染めたコートを、私は彼らとの思い出とともに一生大切にするでしょう。そこがサステナビリティを語る上で、最も理解されていない部分だと思っています。たくさんはいらない、特別な一着があればいいということを。特別というのは高額なものという意味ではなく、丁寧に作られたものや、自分なりの価値があるものなのです」

思い入れのある一着の経年変化や欠点は、それを手に入れた瞬間の思いを刻んだタトゥーのようなものだというゴドイの言葉に、ジョリーは大きく頷く。

「おっしゃる通り。元の絵柄に違う柄を重ねて、新しい模様にすることもできる。そのときの自分の人生の出会いや経験を加えていくことができるんです。私も体中にタトゥーがありますが、長年にわたるさまざまな経験がそこに刻まれています。もちろん人生の失敗も(笑)。恥ずかしいことも含めて自分ですから」

サステナビリティはパンクである

ボロ布の声を聞かせて
ジョリーが気さくに「Mitsugu」と呼ぶ相手は、妻とともに「佐々木洋品店」を営む佐々木貢だ。50~ 100年前の世界中の古い布や服を、日本の刺し子技術を用いてオリジナルのリメイクを施した作品を手がけている。「目指しているのは、100年以上前、極寒の冬を過ごすのに麻しかなかった東北の人たちが、保温性を高めるために生み出した刺し子の技術です。服は刺し子を続ければ100年以上もちますし、価値も変わらない。ボロ布から普遍的な価値観を生み出すことが最大の魅力です」。ミシンは使わず、すべて手作業で行っていることに、ジョリーと次男のパックスは大きな関心を寄せた。「触って温かみのある、人間の手の温もりを感じさせるものにしたいから」。NYの「アトリエ・ジョリー」の店舗に、彼の服は置かれている。
〈アンジェリーナ〉ジャケット/MITSUGU SASAKI(佐々木洋品店) ピアス ¥13,200/R ETHICAL(アール エシカル) スカート/スタイリスト私物


Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( アンジェリーナ・ジョリーと学ぶ日本の文化と、いちアーティストとして彼女が考えるサステナブルなものづくりの ... - VOGUE JAPAN )
https://ift.tt/1vyULe4

No comments:

Post a Comment