今回東京近郊で行われた撮影に対しては、こう本音を語ってくれた。「元来私は媒体問わず、ファッション撮影のようなことは、モノを売るのに協力している気がして、あまりいい気持ちはしないんです。ですが、撮影というのはもともと創造性と人々が一つになるためのものであるとも思っています。うれしいことに今回の撮影は、そういった撮影本来の目的を実現することができました。日本の文化を理解したふりをするつもりはありませんが、長く壮大な歴史の中で培われてきた技や慣習について学ぶことには大きな意義があると思っていました。なんでしたっけ? 無駄にしないという意味の日本語がありますよね? そう、『もったいない』。何かのムーブメントのようなものがあったわけではなく、モノ、技術、時間、それらをすべて尊ぶ。日本社会で自然とその概念が発展していったことが、この国の文化のすべてを語っていると実感しました」
今回の撮影でジョリーが着用したものは、彼女の強い希望ですべてサステナブルなアイテムで揃えられた。ジョリーは自ら体験することを、シェイクスピアの芝居に例える。
「何年も会話をするより、1時間の芝居を観るほうがより多くのことを学べるように構成されている、シェイクスピアの芝居に近い体験なのだと思います。実際に、藍染め体験においては、何世代も続く一家と話をし、少年を中心にみんなが笑顔になってつながり、そして新たなモノを創りだした。あの工房で一家と一緒に染めたコートを、私は彼らとの思い出とともに一生大切にするでしょう。そこがサステナビリティを語る上で、最も理解されていない部分だと思っています。たくさんはいらない、特別な一着があればいいということを。特別というのは高額なものという意味ではなく、丁寧に作られたものや、自分なりの価値があるものなのです」
思い入れのある一着の経年変化や欠点は、それを手に入れた瞬間の思いを刻んだタトゥーのようなものだというゴドイの言葉に、ジョリーは大きく頷く。
「おっしゃる通り。元の絵柄に違う柄を重ねて、新しい模様にすることもできる。そのときの自分の人生の出会いや経験を加えていくことができるんです。私も体中にタトゥーがありますが、長年にわたるさまざまな経験がそこに刻まれています。もちろん人生の失敗も(笑)。恥ずかしいことも含めて自分ですから」
サステナビリティはパンクである
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