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Monday, May 27, 2024

絵の具を散らしてアートに アーティスト明亮さんの作品が海外で注目 - 繊研新聞

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作品「蒲公英」(たんぽぽ)と明亮さん

 アクリル絵の具を垂らしたり飛ばしたりして模様を描く明亮(あきら)さんのアート作品が、イタリアやニューヨーク(NY)で展示され、注目を集めている。オリジナルのアパレル商品の販売もしており、花のデザインが女性から人気だ。

(小坂麻里子)

 作品は「憬」「信」「炎」「花」の四つの軸に沿って制作する。絵の具の色や複雑な模様で花や月、太陽などを表現する。

SNSがきっかけ

 紙に直接筆を触れずに描く技法を自ら「ドロッピング」と呼び、制作数は今までで1700作。「毎日インスタグラムのストーリーに投稿すると決めている」という。

 海外で展示されるきっかけになったのが、そのSNS発信だった。23年に明亮さんのインスタグラムを見たイタリアのキュレーターから声がかかり、作品の「太陽掴手」がアートサイトに永久保存され、ミラノのデジタルギャラリーで1週間展示された。

 その期間中、NYのタイムズスクエアのディスプレーで作品紹介も行われた。明亮さんは「元々、内向的な人間だが、この経験は自分の弱い心の殻を破いてくれた」と振り返る。

 作品は一般財団法人「たんぽぽの家」の50周年記念ハンカチに採用されたこともある。22年からは「ブランドニューワールド」という名前でアパレル商品も販売している。

 約30種類の作品をプリントしたパーカやTシャツを揃え、「数カ月に一度デザインを変えリニューアルしている」と話す。

作品の「祝麗」(いわいうるわし)

センターのおかげ

 明亮さんは、奈良県香芝市の障害福祉事業所「グッドジョブ!センター香芝」を3年ほど前から利用している。薬学部を専攻していた大学を心身の不調と進路への強い違和感で中退後、紹介で同センターを知り、通うようになった。

 元々絵を描くことが好きで、外部から制作を依頼されたのがきっかけで今のアートを制作するようになった。「同センターのおかげで絵を描く楽しさを知れた」と笑顔で話す。

 今の描き方はアクションペイントの抽象画を描くジャクソン・ポロックの存在が大きいという。さらに様々な本を読んで物の考え方や実験精神の大切さを学んだ。

 同センターに武蔵野美術大学の山崎連基講師が来訪した時に、アドバイスをもらった経験も今の制作姿勢につながっているという。

 将来の目標は「自分のギャラリーを作ること」だ。「そこを第2のグッドジョブ!センター香芝のようにし、居心地が良く、たくさんの学びが生まれる空間にしたい」とほほ笑む。

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