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Tuesday, February 6, 2024

独創的な技法の作品で知られるアーティスト、市川孝典が個展を開催 - VOGUE JAPAN

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Untitled #85. 2018. Ink, acrylic,watercolor and pastel on paper mounted on natural wood frame. 80x80mm. Photo by 木奥恵三.©2024 Kosuke Ichikawa/Soni. & Co. All Rights Reserved.

CHANELシャネル)、TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.タカヒロミヤシタザソロイスト.)などトップブランドとの協業でも知られる、アーティスト市川孝典の個展「DELUSIONAL murmur(#003)」が「Gallery COMMON(ギャラリーコモン)」にて開催となる。

市川は主に紙を素材とし、メディウムとイメージ、実験的な技法を駆使して記憶の脆さと儚さを浮き彫りにすることで、移り行く世界の中で存在することの不安の表現を探求している。13歳のとき、ニューヨーク移住。アメリカやヨーロッパを旅し、さまざまな建築音楽、美術に出会ったことが、アーティスト・画家として独立するきっかけとなった。帰国後も素材の研究と実験を続け、市川の代表作のひとつ、線香で和紙を焦がしてイメージを描く「Scorch Paintings(線香画)」シリーズを発表。ソーシャルメディアの画像を模した「Scrape Works」シリーズでは、同様のコンセプトから派生しつつも、絵の具を使い、レイヤー/スクレイピングのプロセスを用いることで、抽象的で掴みどころのない記憶の本質を、素材を通して表現する方法を探求し続けている。

今回の「DELUSIONAL murmur(#003)」は、温度や太さなどで60種以上の線香を使い分け、下書き無しで和紙を焦がしながら描く「Scorch Paintings (線香画)」シリーズや、絵の具を重ね、色の積層を削り落とすことで下層のイメージを浮かび上がらせる「Scrape Works」シリーズを発表する大規模な個展となる。

自身の制作を「不安を安心に変える作業」と表現する市川は、何気ない日常の記憶が忘却することへの恐怖に対する不安を安心に変えていくために、記憶を作品にしてストックしていくサイクルを繰り返している。そんな世界観を体感しに足を運んでみては。

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