今日から米人気歌手テイラー・スウィフトさんのコンサートが東京ドームで始まります。昨年、米誌タイムの毎年恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に選ばれるなど、その人気と影響力は大きいです。読売新聞朝刊の投書欄「気流」には、大物アーティストの来日公演に関する投書も寄せられてきました。記者の心に刺さった投書を紹介する「ササる投書」、今回のテーマは「来日コンサート」です。(※投稿者の年齢や職業などは掲載当時。紙面では実名で掲載)
■生演奏聞けなかったが…貴重な青春の1ページ
世界同時発売されたビートルズのリマスター(高音質化)盤の曲をラジオで聴いた。最新の技術の素晴らしさに改めて感心した。
私にはビートルズに関する忘れられない思い出がある。中学時代から小遣いをやりくりしてレコードを購入し、聴いていたのだが、何と、日本武道館での公演チケットが抽選で当たったのだ。
東京へ公演を見に行く、見に行かないで、家族ともめたことを覚えている。当時はビートルズの長髪などに強い偏見があり、とても学校を休んで見に行けるような状況ではなかったのだ。結局、自宅のテレビで食い入るように見た。
生の演奏を聴けなかったのは今でも残念に思うが、彼らの全盛期とともに青春時代を過ごしたことは、何にも代え難い宝物だ。(60歳・嘱託職員=富山県、2009年10月27日掲載)
■ビートルズから教えられたもの
来日したポール・マッカートニーのコンサートに出かけた。ステージのポールは、60歳とは思えない若々しさだった。10代の前半、私の生活はビートルズの音楽とともにあった。後期のアルバム「アビイ・ロード」の中で、ポールは私たちにメッセージを込めて歌っていた。
―きみはその重荷を背負っていくんだ。これからの長い人生ずっと。きみに枕なんかあげる気はない。ただ招待状を送るだけさ――(「キャリー・ザット・ウェイト」から)。 そして、彼らは解散した。ビートルズに触発された少年少女も大人になり、それぞれの重荷を背負いながら、人生を生きていると思う。
私は、彼らの音楽や生き方を通して、自分に率直に生きることの大切さを学んだ。今回の来日公演でも、親しい人たちを亡くした悲しみや困難を乗り越えて前向きに頑張る姿勢を、私たちに身をもって示してくれたように思う。(42歳・薬剤師=石川県、2002年11月19日掲載)
■失礼な観客にがっかり
先日、カナダの女性歌手が来日したので、知人とコンサートを見に行った。
彼女が主題歌を歌った映画が大ヒットしたこともあり、数万人が収容できる会場はほぼ満席だった。私は、コンサートが始まると同時に、彼女の美声に聞きほれた。
ところが、後ろの方の席の人たちがなんだかうるさいのだ。よくよく聞けば、「この曲、知らないわね」「早くあの曲歌ってくれないかしら」などと言っている。「あの曲」というのは、もちろん映画の主題歌のことである。ずいぶん失礼な人たちだと思ったが、無視することにした。
歌手は結局、その曲をアンコールの最後で歌ったのだが、あと少しで歌い終わるというときになって、先ほど騒いでいた人たちが席を立ったのである。どうやら帰るつもりらしい。ひどいと思ったそのとき、私の周りの人たちも次々と席を立って帰り始めた。
でも、まだ歌は終わっていないのだ。これだけの観客が一度に帰るのだから、出口や電車が混雑して大変だとは思うが、それにしてもと思う。歌い終わって観客席に手を振った彼女は、出口に殺到する人たちを見て何を思っただろうか。(21歳・大学生=埼玉県、1999年2月18日掲載)
■担当記者から
コールドプレイ、ブルーノ・マーズ、ビリー・ジョエルと人気アーティストの来日が続いています。円安で海外旅行が難しくなっている中、来日公演は貴重な機会となっています。レディー・ガガのコンサートを見た時は、「これぞメジャー」と感動しました。コロナ禍の制限が解除された今、もっとアーティストが来日してほしいと思っています。みなさんが来日してほしいアーティストは誰ですか?(田渕)
「ササる投書」を毎週掲載します。次回もお楽しみに!
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