世界最大のレコードレーベル、ユニバーサル・ミュージック・グループ（ＵＭＧ）が動画共有アプリ「TikTok（ティックトック）」から楽曲を引き揚げ始めた。
ＵＭＧはテイラー・スウィフトやドレイクなど人気歌手を抱えるが、楽曲利用に関する数カ月にわたるTikTokとの交渉が物別れに終わった。
中国の 字節跳動（バイトダンス）が所有するTikTokはここ数年で、音楽業界でも急成長。レコードレーベルは新人アーティストの発掘や作品のプロモーションにTikTokを利用している。
アーティストが多くの聴衆にリーチし、才能を発掘する手段として役立っているとTikTokは主張しているが、音楽会社側は以前から、TikTokがアーティストに正当な報酬を支払わないことに不満を抱いてきた。
バイトダンスの売上高が昨年1100億ドル（約16兆1000億円）を超えたのに対し、ＵＭＧはTikTokからの収入がＵＭＧ総売上高のわずか１％に過ぎないと説明している。
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今後、ＵＭＧが所有する楽曲を使用したTikTokの動画はミュートされ、ユーザーはコンテンツのサウンドトラックに新しい楽曲を選ぶことができるようになる。つまり、10億人を超えるTikTokユーザーは、テイラー・スウィフトやドレイク、ボブ・ディランといったアーティストの曲の代わりを探さなければならなくなる。
ＵＭＧは１月30日に 公開書簡を発表し、TikTokとの論争を公にした。ＵＭＧによると、アーティストや作詞・作曲家への適切な報酬、人工知能（ＡＩ）ツールに対する保護、TikTokユーザーのオンライン上の安全性などを巡り協議が行き詰まったという。
これを受け、TikTokはＵＭＧが「アーティストやソングライターの利益よりも自分たちの強欲さを優先した」との コメントを出した。
原題： Universal Music Group Pulls Music From TikTok After Talks Fail （抜粋）
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