2021/08/29 10:06 ウェザーニュース
関東や東北では陸域、海域の地震がどちらも目立ち、西日本は弱い地震が散発的に起きました。震度3以上の地震は2回発生しています。(8月23日~29日10時の集計)
茨城県沖は地震の発生頻度が高いため、今回のようにわずかな間隔で連続して起きることも時々あります。最近では2018年7月17日に8分の間隔でマグニチュード4.8と4.1の地震が発生しました。
27日(金)の2回の地震以降、茨城県沖での地震活動には大きな変化が見られていません。今回の連続地震を過度に警戒することはないものの、地震が多い領域ですので、普段からの備えをしっかりと行うことが重要です。
広島県北部では今回の震源の南西側の領域で時々大きな地震が発生しており、2011年にはマグニチュード5.4で最大震度5弱、少し遡って1930年にはマグニチュード6.1の地震の記録が残っています。
島根県との県境に近い今回の震源付近に知られている活断層はないものの、過去の大きな地震が起きている三次市周辺には活断層の存在が考えられてます。
広島県の被害地震は内陸よりも沿岸部で発生するものが大半です。内陸部での直下型地震も心配ではありますが、安芸灘などで起きる地震に注意しておく必要があります。
八丈島近海を震源とするマグニチュード5以上の有感地震は2016年7月以来です。防災科学技術研究所による速報解析では南西ー北東方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。八丈島近海ではこの地震の前の15日(木)の深夜に震度1の地震があり、16日(金)~17日(土)にかけてはマグニチュード4前後の地震が多く発生しています。
八丈島の沖合で発生する地震としては、東方沖のプレート境界型が多く、最近では2009年にマグニチュード6.6、最大震度5弱の地震が起きました。今回のような八丈島の西側は深さ200km前後の深発地震が比較的目立ち、浅い所の強い地震は時々マグニチュード5クラスが発生している状況です。
太平洋プレートが深く沈み込んでいる場所では同様の深発地震がしばしば起き、数年に一度マグニチュード6以上の規模の地震も発生します。一方、一度の地震での余震がほとんどないことも特徴です。
日本時間の23日(月)早朝に南極に近いサウスサンドウィッチ諸島近海でマグニチュード7.1の地震が発生しました。この周辺では13日(金)にマグニチュード8.1の地震が発生するなど、地震活動が活発になっています。
一連の活動は南アメリカプレートと、スコシアプレートの境界付近で起きています。詳しく見ていくと、境界の西側で発生した地震と、東側で発生した地震があり、13日(金)のマグニチュード8.1は西側、今回の地震は東側で起きています。地震のメカニズムも前者が逆断層型、後者は正断層型と異なっており、深さも今回の東側の地震の方が少し浅い所です。発生場所は非常に近いものの、タイプとしては別の活動と考えられます。
地震は均等な間隔で起きるわけではなく、多い時期と少ない時期を繰り返します。今年の傾向を見ても、5月はマグニチュード6.5以上の発生が6回でしたが、6月はわずか1回、7月も3回に留まっていました。
地球規模の活動は人間の時間軸に比べて、長いスパンで動いています。月ごとや年ごとの変化は微妙な揺らぎに過ぎません。常日頃からの備えがやはり重要になります。
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
からの記事と詳細 ( 週刊地震情報 2021.8.29 茨城県沖 27日(金)早朝に連続で震度3の地震 - ウェザーニュース )
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