2021/05/30 10:54 ウェザーニュース
この1週間で国内で観測された地震回数は前週と変わらない水準です。関東周辺での地震活動が目立っています。震度3以上の地震は3回発生しました。(5月24日~5月30日10時の集計)
その後の9時05分頃にはマグニチュード5.0で深さ約30km、さらに10時03分頃にはマグニチュード5.6で深さ約20kmの地震が相次いで起きています。いずれの地震も観測された最大震度は2です。3回の地震はほぼ同じ震源で、一連の地震活動と考えられます。
太平洋プレートが沈み込む領域である茨城県沖は過去にも大きな地震が多く発生しています。東日本大震災を引き起こした超巨大地震の直後には今回の震源よりも少し陸地よりでマグニチュード7.6、2008年には今回の震源近くでマグニチュード7.0が起きました。
10時過ぎの地震以降は震度1以上の有感地震の発生はないものの、今後の活動を注視する必要があります。
トカラ列島近海の地震活動は小康状態でしたが、20日(火)にマグニチュード3.0、震度3の地震が起き、さらに震度4の地震が発生したことで、再度の活発化が心配されました。震度4の地震のあとに最大震度1の地震が4回あったもののすぐに落ち着き、22日(木)以降の有感地震は1回のみです。
和歌山県南部を震源とする震度3以上の地震は今年4月13日以来です。地震のメカニズムは北東ー南西方向に張力軸をもつ、正断層型と解析されています。
和歌山県は知られている活断層はないものの、フィリピン海プレートの沈み込む角度の違いや地質の影響などで、地震活動が活発な地域です。今回の震源付近では深さ50km前後の地震が多く、時々マグニチュード5を超えるような規模の地震が起きています。同じ和歌山県でも北部は深さ10km未満の浅い所で起きる地震が多く、少しタイプが違います。
太平洋プレートが深く沈み込んでいる場所では同様の深発地震がしばしば起き、数年に一度マグニチュード6以上の規模の地震も発生します。一方、一度の地震での余震がほとんどないことも特徴です。
22日(土)に中国の内陸部で発生したマグニチュード7.3の地震の余震が続いていて、日本時間の27日(木)夜にはマグニチュード5.2が発生しました。余震の分布は西北西から東南東方向に伸びており、地震の活動領域を示しています。
ただ、地震回数は日を追うごとに順調に減少している状況です。本震の発生から1週間以上が経過しており、余震活動はこのまま落ち着く可能性が高いと見られます。
規模はそれほど大きくなく、震央付近では日本の震度階級で震度2程度に相当する揺れになったと見られます。日本時間の8日(木)朝にかけて継続し、マグニチュード1以上の地震は100回以上に達しました。
ロサンゼルスなどカリフォルニア州では長大なサンアンドレアス断層がよく知られていますが、今回の震源域はそれよりも少し南に離れた領域です。地震のメカニズムもサンアンドレアス断層付近で多く見られる横ずれ型ではなく、逆断層型と解析されています。地震が集中した地域では小規模な断層帯がいくつも分布しており、これらの活動が関連していると考えられます。
この小規模な断層帯周辺でも過去に大きな地震が発生したケースは見られ、今回の震源より少し北西側では1994年にマグニチュード6.7が起きています。ノースリッジ地震と呼ばれる地震で、ハイウェイが崩壊するなど建築物に大きな被害が発生し、50人以上の方が亡くなりました。
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
からの記事と詳細 ( 週刊地震情報 2021.5.30 29日(土)茨城県沖でM5クラスの地震が立て続けに3回発生 - ウェザーニュース )
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