2021/04/04 10:54 ウェザーニュース
この1週間で国内で観測された地震回数は、前週に比べると少なくなりました。本州の内陸を震源とする地震がやや目立ち、宮城県沖・福島県沖の地震も継続中です。震度3以上の地震は4回発生しました。(3月29日~4月4日10時の集計)
駿河湾を震源とする最大震度3以上の地震は、2018年8月以来、約3年ぶりです。また、2011年8月にはマグニチュード6.2、2009年8月にはマグニチュード6.5の規模の大きな地震が発生し、被害も出ています。
今回の地震の震源は、発生が懸念されている南海トラフ巨大地震の想定震源域の東端にあたるものの、地震のメカニズムや深さなどからプレート境界型ではないと見られます。
この地震で過度に心配する必要はないものの、南海トラフによる巨大地震はいつ発生してもおかしくありません。常日頃からの備えが必要です。
また、長周期地震動と呼ばれる波長の長い揺れも広範囲で観測され、福島県中通りでは最も強い「階級4」となりました。「階級4」ではビルなどの建物の中で、「立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされる。」状況が想定されています。
14日(日)10時時点で余震活動はそれほど活発ではなく、震度3の観測はマグニチュード7.3の地震の発生から28分後と43分後の2回のみです。ただ、地震発生から1週間程度は強い揺れに見舞われる可能性がありますので、室内の片付けなどを行う場合は、揺れた時すぐに安全を確保できるようにしてください。
また、急な斜面では土砂災害、積雪の多い地域では雪崩にも注意が必要です。
地震の規模はマグニチュード6超と大きかったものの、深さ約150kmのいわゆる深発地震だっため、最大震度は2に留まりました。宮古島北西沖で発生する地震には、「沖縄トラフ」と呼ばれる海底の窪んだ領域で発生する比較的浅い地震と、沈み込んでいるフィリピン海プレートと陸地のプレート境界付近で発生する深い地震があり、今回は後者に当たります。
マグニチュード5クラスの地震は比較的多く、最近では2019年7月に発生していますが、マグニチュード6クラスは一気に減少し、1961年12月に発生したマグニチュード6.2、深さ約258kmの地震以来です。
震源が深く揺れが伝わりにくいとは言え、今回の震源から少し北東に離れた沖縄本島北西沖では2011年にマグニチュード7.0の深発地震が発生して、多くの地点で震度4を観測した事例もあり、油断は出来ません。
太平洋プレートが深く沈み込んでいる場所では同様の深発地震がしばしば起き、数年に一度マグニチュード6以上の規模の地震も発生します。一方、一度の地震での余震がほとんどないことも特徴です。
また、日本時間の1日(木)にはニュージーランドの北に位置するケルマディック諸島近海でマグニチュード6.5の地震が発生しました。震源が約20kmと比較的浅かったものの、地震の規模がそれほど大きくなかったため、津波は発生していません。地震のメカニズムはこの領域で多く見られる、東西方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。
今回の地震は日本時間の3月5日に発生したマグニチュード8.1の地震と震源や深さが近く、余震のひとつと考えられます。太平洋プレートがオーストラリアプレートに沈み込むこの領域では、今年に入って大きな地震が起きていますので、今後の動向が注目されます。
現段階では溶岩流が中心の噴火活動で、流出している範囲は限定的です。人口密集地からは離れているため、すぐに大きな影響を及ぼすことはないと見られています。
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
からの記事と詳細 ( 週刊地震情報 2021.4.4 駿河湾震源の震度3は3年ぶり 2009年の被害地震近く - ウェザーニュース )
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