2021/04/25 10:36 ウェザーニュース
この1週間で国内で観測された地震回数は、前週に比べてさらに減少しています。東北の沖は相変わらず地震が多く、関東甲信の内陸部でもやや地震が目立ちました。震度3以上の地震は8回発生しています。(4月19日~4月25日10時の集計)
22日(木)にかけて伊豆大島近海を震源とする震度1以上の有感地震は13回に達し、24日(土)の夜も震度1の地震が発生しました。
伊豆大島付近から伊豆半島東部にかけての地震は、地下のマグマ活動に起因するものが多く見られます。今回の地震の震源分布は、深さが5~15kmとややばらつきがあるものの、震央の位置はほぼ同じです。また、深さに関しても震源が深い所から浅い所へ移るような動きは見られず、現段階で地下のマグマが上昇するような兆候は認められません。
今回の震源の少し北側では、2016年7月24日に地震が頻発し、最大震度3の地震が発生しましたが、翌日には有感地震がほとんどなくなりました。
トカラ列島近海の地震活動は小康状態でしたが、20日(火)にマグニチュード3.0、震度3の地震が起き、さらに震度4の地震が発生したことで、再度の活発化が心配されました。震度4の地震のあとに最大震度1の地震が4回あったもののすぐに落ち着き、22日(木)以降の有感地震は1回のみです。
震度3以上を観測する地震も14日(水)の13時53分に起きたものが最後で、昨日17日(土)は震度1以上の発生がありませんでした。一連の活動は収束したと見られます。
ただ、トカラ列島近海はこうした活動が頻繁に発生していますので、落ち着いた状況のうちに対策など不足している所がなかったか確認しておくと良さそうです。
太平洋プレートが深く沈み込んでいる場所では同様の深発地震がしばしば起き、数年に一度マグニチュード6以上の規模の地震も発生します。一方、一度の地震での余震がほとんどないことも特徴です。
日本時間の24日(土)朝に南太平洋のトンガとフィジーの間の海域を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生しました。深さが約300kmの深発地震であったため、周辺の島々で大きな揺れとなった所はなく、津波も起きていません。
トンガ周辺は太平洋プレートとオーストラリアプレートの境界にあたり、深さ10,000m以上に達するトンガ海溝が形成されています。プレート境界やその周辺で発生する大きな地震が頻発している領域です。
2018年には今回の震源よりやや西側でマグニチュード8.2と7.9の規模の大きな深発地震が発生しています。また、比較的浅い所でもマグニチュード8以上の地震が2000年以降だけでも2回発生するなど、世界でも有数の地震多発地域と言えます。
規模はそれほど大きくなく、震央付近では日本の震度階級で震度2程度に相当する揺れになったと見られます。日本時間の8日(木)朝にかけて継続し、マグニチュード1以上の地震は100回以上に達しました。
ロサンゼルスなどカリフォルニア州では長大なサンアンドレアス断層がよく知られていますが、今回の震源域はそれよりも少し南に離れた領域です。地震のメカニズムもサンアンドレアス断層付近で多く見られる横ずれ型ではなく、逆断層型と解析されています。地震が集中した地域では小規模な断層帯がいくつも分布しており、これらの活動が関連していると考えられます。
この小規模な断層帯周辺でも過去に大きな地震が発生したケースは見られ、今回の震源より少し北西側では1994年にマグニチュード6.7が起きています。ノースリッジ地震と呼ばれる地震で、ハイウェイが崩壊するなど建築物に大きな被害が発生し、50人以上の方が亡くなりました。
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
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