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Thursday, February 4, 2021

SNSで個人情報探る「特定代行屋」 犯罪のリスクも - ITmedia

bintangsef.blogspot.com
産経新聞

 会員制交流サイト(SNS)に公開された情報を手掛かりに第三者の住所などを特定し、報酬を受け取る「特定代行屋」と呼ばれる人たちがいる。SNSの普及によって個人情報の入手が容易になったことが背景にあるが、ストーカーなどの犯罪行為を助長する恐れもある。自粛生活が続く新型コロナウイルス下では、これまで以上に個人情報が特定されやすくなっているといい、SNSユーザーは一層の注意が必要だ。

photo SNS上の写真からこんな情報が特定される

SNSで割り出し

《住所特定、電話番号特定、パスワード抜き取り、幅広く対応いたします》《相手の住所を知ることができます。実績多数》

 Twitter上で、「特定代行」と検索すると、こんな文言が並ぶ。アカウント主に依頼のメッセージを送ると、代行屋が任務遂行へ向けて動き出す。

 個人情報の割り出しに使われるのは、SNS上の情報だ。SNSのアカウントが匿名であっても、リンク先をたどると、その人物の勤務先や人間関係が分かる場合がある。写真に写りこんだ背景からは、およその生活圏が絞られる。料理の写真は、食器や周囲の壁紙などからどの店で提供されたものか分かる。

 こうした情報を重ね合わせれば、住所や電話番号などが特定できることもあるという。過去には、女性の瞳に映った景色を手掛かりに女性の住所を割り出し、ストーカー行為に及んだ男もいる。

 インターネットを巡る法律問題に詳しい船越雄一弁護士は「『お前の住所を知っているぞ』とメールが来た」などの相談を受けたことがあるという。一般に公開されている情報をたどり、身元を特定すること自体は違法ではない。ただ、そうして入手した情報を素性の分からない相手に不用意に渡せば、ストーカーなどに悪用されかねず、船越氏は「場合によっては特定代行屋が共犯になることもある」と指摘する。

報酬だけを詐取も

 さらに、特定代行屋を掲げながら、特定をせずに報酬だけをだまし取る詐欺行為が横行しているとの情報もある。報酬の支払いは仮想通貨や電子マネーなどを使えば、インターネット上のやりとりだけで済む。ネットセキュリティに詳しい神戸大の森井昌克教授は「情報が欲しい人にとっては、匿名性が担保されるので安易に依頼してしまいがちだ」と話す。

 コロナ下では自粛生活の中で室内を撮影してSNS上に掲載する人が多いが、窓の形やカーテンなどから自宅が特定されてしまう危険性もある。森井教授は「SNSに身の回りの写真をアップする際は、どんなリスクがあるか考えた上でやってほしい」と警鐘を鳴らしている。

きっかけは詐欺被害

 Twitterへの書き込みから「特定代行屋」とみられる人物が、Web上のメッセージのやりとりで産経新聞の取材に応じた。

 「21歳男性」を名乗るこの人物が、特定代行を始めたのは2020年12月ごろ。自身がSNS上で投資に勧誘され、500万円をだまし取られる詐欺被害に遭ったことがきっかけだった。「相手に復讐(ふくしゅう)したいという思いがあったが、詐欺被害を警察に通報したら自分が捕まる可能性もあった」。SNSから相手の住所などを割り出し、示談金を払わせたという。

 これを商売にしたら同様の被害に遭った人の役に立てる上、楽にお金が稼げる――。そんな思いで代行屋を始め、1カ月間で約30件の依頼を受けたという。この人物いわく、依頼主の事情は詐欺被害に遭ったり、家出中の娘の居場所を知りたかったりとさまざま。SNS上に掲載されている写真を分析すれば、1件につき3時間程度で住所などが特定できるという。報酬は内容次第で、5000〜2万円を提示している。

photo 「特定代行」の仕組み

 この人物は特定した個人情報が悪用されないよう、依頼主には必ず事情を尋ね、必要に応じて証拠の提出も求めているというが、こうも指摘する。「(特定代行屋の中には、個人情報が悪用されないような)対策を取っていない人は結構います。みんなの目的はお金ですから」


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