2021/02/28 10:29 ウェザーニュース
この1週間で、国内で観測された地震回数は前週に比べると少ない水準です。一方で震度3以上の地震は7回発生しています。地震の回数が多くなったのは東北から北海道の太平洋側の地域です。(2月22日~28日10時の集計)
4回の地震はそれぞれ独立して発生したもので、福島県沖の2つの地震をのぞくと、直接的な関係性は薄いと考えられます。
違う震源で短い期間に震度3以上の地震が続いた例としては、去年の5月19日に長野県中部/岐阜県飛騨地方、福島県沖、奄美大島近海。3月13日に石川県能登地方、有明海、島根県西部で起きたケースがあります。
こうした地震の多発と、想定される巨大地震の関連性は断言できないものの、普段からの備えのきっかけにしていくと良いかもしれません。
また、長周期地震動と呼ばれる波長の長い揺れも広範囲で観測され、福島県中通りでは最も強い「階級4」となりました。「階級4」ではビルなどの建物の中で、「立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされる。」状況が想定されています。
14日(日)10時時点で余震活動はそれほど活発ではなく、震度3の観測はマグニチュード7.3の地震の発生から28分後と43分後の2回のみです。ただ、地震発生から1週間程度は強い揺れに見舞われる可能性がありますので、室内の片付けなどを行う場合は、揺れた時すぐに安全を確保できるようにしてください。
また、急な斜面では土砂災害、積雪の多い地域では雪崩にも注意が必要です。
伊予灘は沈み込むフィリピン海プレートの内部で発生する地震が度々発生しています。最近では2014年3月に今回の震源の少し北西側でマグニチュード6.2の地震が起き、西予市で震度5強を観測したのをはじめ、瀬戸内海沿岸の広い範囲で震度4以上の強い揺れに見舞われました。
また、同一のタイプの地震としては、2001年と1905年にそれぞれ発生した芸予地震もあります。
政府の地震調査推進本部は安芸灘~伊予灘~豊後水道にかけてのエリアで、マグニチュード6.7~7.4の地震が、今後30年に発生する確率が40%程度としています。震源が陸地の近くで発生した場合は、震度6弱~6強の強い揺れとなるおそれがありますので、南海トラフによる巨大地震だけでなく、こうした地震にも警戒が必要な地域です。
太平洋プレートが深く沈み込んでいる場所では同様の深発地震がしばしば起き、数年に一度マグニチュード6以上の規模の地震も発生します。一方、一度の地震での余震がほとんどないことも特徴です。
日本時間の24日(水)にアイスランド南西部のレイキャネス半島を震源とするマグニチュード5.6の地震が発生、その後もマグニチュード4前後の地震が多発しています。アイスランド気象局によると27日(土)の時点でマグニチュード4以上の地震が26回、マグニチュード3以上の地震は150回以上に達しました。
今回の震源はユーラシアプレートと北米プレートの境界付近で発生したものです。気象局は衛星画像により地盤変動の解析から左横ずれ方向の動きが見られ、この動きが一連の地震活動に関連していると考えられています。なお、航空機向けの火山活動の警戒レベルを示すカラーコードは変更されていません。
この付近は南極プレートとスコシアプレートと呼ばれる小さなプレートの境界に当たり、時々大きな地震が発生します。去年11月にマグニチュード6.0の地震が起きており、1971年にはマグニチュード7.0の記録が残っています。
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
からの記事と詳細 ( 週刊地震情報 2021.2.28 26日(金)夜~27日(土)朝にかけて震度3の地震が相次ぐ - ウェザーニュース )
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