2020/12/27 10:09 ウェザーニュース
この1週間で、国内で観測された地震回数は前週に比べると減少しました。震度3以上の地震は3回発生しています。この期間は特定の地域に集中することなく、西日本から北日本にかけての広い範囲で地震が観測されています。(12月21日~12月27日10時の集計)
震度5弱以上を観測する地震は今年に入って7回目で、そのうち3回が12月に集中しています。今回の地震のメカニズムは西北西ー東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、震東日本大震災を引き起こした超巨大地震の余震域で発生したと見られます。12月12日(土)には少し南西側の岩手県沖を震源とするマグニチュード5.6の地震が発生し、最大震度5弱を観測したばかりでした。
奈良県は北部に知られている断層帯がいくつかあり、「吉野地震」と呼ばれる1952年のマグニチュード6.7の地震では、奈良県と周辺府県で死者が出ています。三重県との県境付近で既知の断層はないものの、1899年にマグニチュード7.0の地震が発生したと考えられています。
こうした内陸部の地震に加え、想定される南海トラフ巨大地震でも奈良県の広い範囲で震度6強以上の揺れに見舞われると考えられており、普段からの地震対策が欠かせません。
今回の地震は、千島海溝から北西に向かって沈み込む太平洋プレートの深部で発生した地震とみられます。
太平洋プレートが深く沈み込んでいる場所では同様の深発地震がしばしば起き、数年に一度マグニチュード6以上の規模の地震も発生します。一方、一度の地震での余震がほとんどないことも特徴です。
前述した2013年にオホーツク海で発生したマグニチュード8.3の地震では、最大震度こそ3に留まったものの、震度1以上の揺れは九州まで到達しました。深発地震でも規模が大きくなると揺れの影響が出てきますので、油断が出来ません。
震源の深さは約109kmと深く、地震のメカニズムは北東ー南西方向に圧力軸をもつ、逆断層型と解析されています。沈み込んでいるフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界付近で発生したと見られます。
ルソン島の南シナ海側では、深さが100kmを超えるような地震がしばしば発生しており、今回の震源近くでも2017年や2004年にマグニチュード6以上、深さ100km以上の地震が起きています。
フィリピンでは16日(水)にミンダナオ島の南の沖でマグニチュード6.1の地震が起きていますが、今回の震源とは離れているため、直接的な関係性は薄いと見られます。
今回の震源はアナトリアプレートの西側の領域にあたり、南北に引っ張られる動きをしていると考えられています。地震のメカニズムは南北方向に張力軸を持つ正断層型と解析され、考えられている動きと調和的です。2017年に同じトルコ西岸で発生したマグニチュード6.6の地震も正断層型と解析されています。
マグニチュード5を超えるような余震が発生しており、救出・復旧活動への影響やダメージを受けた建物の新たな倒壊などが心配されます。
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
からの記事と詳細 ( 週刊地震情報 2020.12.27 12月3回目の震度5弱 21日(月)に青森県東方沖でM6.5 - ウェザーニュース )
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