ここ数年、さまざまなカルチャーをシームレスに融合し日本のヒップホップに新たな流れを生んだキーパーソン KOHH(コー)の背中を追うように、海外のトレンドを消化させた王道のサウンドで多様な層を惹きつける川崎代表のヒップホップ集団 BAD HOP(バッド・ホップ)をはじめ、若者が新興勢力として国内ラップミュージックの概念を覆す革新的な楽曲を世に出し続けている。
トラップ、エモラップ、ブーム・バップ、ジャズラップなど細分化されたジャンルに重ねるように外的要因やカルチャーを取り入れることで、柔軟性と多様性に富むようになった近年の国内のヒップホップシーン。キャッチーなリリックとノリやすい楽曲で一般層にも広く受け入れられたJP THE WAVY(ジェイピー ザ ウェイビー)や、クラブミュージックをハイブリッドしたような不穏なビートが印象的なHIYADAM(ヒヤダム)らは、ストリートウェアを着こなすファッションアイコンとしてのブランディングも築き上げている。
進取の気性に息づきグローバル目線でも有望視されるジャパニーズ・ヒップホップシーンだが、ピックアップされるべきアーティストが埋もれがちになっている現状にある。そこで本稿では“今後が期待される10組のアーティスト”をヒップホップとR&Bに絞ってご紹介。下記から彼らの簡単なプロフィールと音源をチェックして、お気に入りのアーティストをプレイリストへ追加してみてはいかがだろうか。
LEX
同世代のユース層を中心に絶大な支持を得ているヒップホップ界の若き新星 LEX(レックス)。Tohji(トージ)擁するMall Boyz(モールボーイズ)“Higher”のミュージックビデオへの出演でも知られている。『SoundCloud』で発表した“Captain Harlock”は34万回再生を記録し、ファーストアルバム『LEX DAY GAMES 4』やセカンドアルバム『!!!』は若者の間でセンセーションを巻き起こした。日常への反発から逃避を求める同世代の抱えるさまざまな心情、人種差別や政治など身の周りで起こることに対する思いを落とし込んだリリックがLEXのスタイルだ。トラップと風変わりなエレクトロニック要素を融合させた実験的でアート色が強いトラックに、畳み掛けるようなフロウは頭(耳)から離れないだろう。新作EP『NEXT』とシングル『Welcome 2 The Party』もチェックしてみよう。
CYPRUS
オーストラリア出身のCYPRUS(サイプラス)は、ニューウェイブとメロディックトラップを融合させた唯一無二のスタイルを貫く新鋭バイリンガルラッパー。デビューシングル“ISSEKINICHOU(一石二鳥)”は、過去に経験してきた苦難を乗り越え、これから這い上がっていくという彼のハングリー精神を垣間見ることができるリリックに、浮遊感のあるフューチャリスティックなサウンドは耳に残るだろう。また、気鋭の映像ディレクターとして国内のヒップホップシーンで名が知られるSpikey John(スパイキー・ジョン)が描く独特な世界観のミュージックビデオにも注目。Young Dalu(ヤング・ダル)、OSAMI(オサミ)、釈迦坊主、VIGORMAN(ビガーマン)などさまざまな若手ラッパーを客演に招いたファーストアルバム『ELFBOY』と合わせて、中毒性のあるトラック“Soba Ni Ite”のミュージックビデオもお見逃しなく。
vividboooy
幅広いジャンルを飲み込んだオルタナティブ・トラップ界で名を轟かすラッパー/アーティスト vividboooy(ヴィヴィッドボーイ)。幼少期からヒップホップやロックなどの音楽に浸り、元ダンサーという経歴を持つ彼は、2018年から本格的に音楽活動をスタート。ファーストアルバム『SYNCHRONICITY』のリリースに先駆けて公開されたミュージックビデオ“RELAXING”は1週間で10万再生を超え話題となった。2020年にリリースしたシングル『odorooo』ではオルタナティヴ・ロック/インディーの要素を取り入れたインパクトのあるサウンドとキャッチ―でありながら、一切の媚びを感じないリリックが印象的。最新シングル『trip my days』では、vividboooyの飾らなくも穏やかで芯の通った声に誰もが引きつけられるだろう。
Tohji
確実に勢いを増しているトラップ界で異質な存在感を放つラッパー Tohji。自身の所属するMall Boyzの代表曲“Higher”は即存の日本語ラップの既成概念からはみ出した新たな風を吹き込み、同年代のアーティストを巻き込んだイベントの開催で一躍注目を浴びた。初となるミックステープ『angel』に収録されている“Snowboarding”や“HI-CHEW”では感性に富んだリリックと軽快なフロウを繰り広げている。また、イギリスの新鋭プロデューサー/DJ Mura Masa(ムラ・マサ)の2019年ジャパンツアーでサポートアクトを務めるなど今後の更なるグローバルな活躍を期待できるだろう。最近では、ヒップホップクルー YENTOWN(イエンタウン)所属のラッパー kZm(ケーズィーエム)の“TEENAGE VIBE”でも客演として参加。近々アルバムもリリースする予定だという。
Hideyoshi
若手ヒップホップクルー Tokyo Young Vision(トウキョウ・ヤング・ヴィジョン)のフロントマンとして、ファッションとヒップホップシーンにおいて頭角を表しているHideyoshi(ヒデヨシ)。ポップパンク、ハードロックやサウスラップの影響を受けているという彼は、ロックの要素が強い内向的でメランコリックなサウンドに、自身の厭世観や内省的な感情を明かす赤裸々なリリックによるハイセンスなフローが特徴的。最近では、Hideyoshiのエモラップにとらわれない独自のスタイルが海外でも反響を呼んでいるという。それを象徴するように、最新ミックステープ『Dead End Adventure』に含まれているトラック“Majinahanashi”のミュージックビデオは『YouTube』で180万回以上再生され、海外でも反響を呼んでいる。
Type Cold
ミレニアル世代のラッパーとして注目を浴びているType Cold(タイプ・コールド)のサウンドに興味があるのであれば、『SoundCloud』で公開されているトラック“Swervin Off”や“Zutto”が手っ取り早いだろう。彼はニューヨークで培った抜群の英語力とメロディーセンスでヒップホップシーンに新たな風を吹き込んだヒップホップクルー Bleecker Chrome(ブリーカー・クローム)のメンバーであり、そこでの活動でご存知の方もいるかもしれない。プロデューサーとしての肩書きも持つ彼が繰り広げる独特な世界観と軽快に弾むフローは、ヒットソング“14”でもチェックできる。ラップの技量のみならず、心地の良い歌声に誰もが新鮮さを感じるはず。クルーでの活動のみならず、今後の彼自身の楽曲にも目が離せない。
Yo-Sea
次なるヒットメーカーの素質を感じさせる沖縄出身のR&Bアーティスト Yo-Sea(ヨーシー)。2018年のデビューシングル『I think she is』では、エクレクティックなスタイルと星空に響き渡るよな瑞々しいメロディアスなフローが大反響を呼び、突如バイラルヒット。拠点を東京に移してからは、Gottz(ゴッツ)、HIYADAM(ヒヤダム)、TAEYO(タイヨウ)の客演を務めるなど様々なアーティストとのコラボレーションを果たしてきた。彼の最新シングル『触れる』とEP『Late Night』では、ヒップホップとR&Bを中心に様々な音楽性が交差する彼のバイブリッドなスタイルに誰もが圧倒されるだろう。
藤田織也
今回ご紹介する10人の中でも異質な存在感を放ち、快進撃を続けるR&Bアーティストの藤田織也。Bleecker Chromeの一員としても活動する。ラッパー PETZ(ペッツ)の“Never Stop”にフィーチャーされるなど、さまざまなアーティストとコラボレーションを行っている。トラップ・ソウルのトラックに響き渡る天性のメロウボイスは、歌とラップの境界線をぼやかし、R&Bミュージックの定義を覆している。『YouTube』で公開されている彼のソロ曲“Sunset”は陰鬱さを打ち消しながら這い上がっていくハングリー精神を言葉巧みにリリックに乗せている。ニューヨークで育ったバックグランドを持つ彼の英語を交えたリリックと魅力的な裏声を自由自在に操るスキルにも注目。
Wez Atlas
バイリンガルという強みを生かしたハイスペックなラップによって、今後の飛躍が特に期待されるWez Atlas(ウェズ・アトラス)。「Avex(エイベックス)」主催の『UNIRAP2019』で総合優勝を果たすなど着実に実績を積み上げている。ジャズやブームバップから影響を受け、リリカルなラップを軸にさまざまなスタイルを追求する。彼の代表曲ともいえる“Overthink”は、自身のリアルな日常を通じて感じたことや思ったことをそのままリリックに落とし込み、聞く人に共感をもたらしている。現在は、michel ko(ミケル・コー)、Tommi Crane(トミー・クレーン)、 VivaOla(ヴィヴァオラ)といった異質な音楽性を持つアーティストらと共に、音楽/アートコレクティブ Solgasa(ソルガサ)の一員として活動中。8月中旬にSolgasaは『YouTube』でライブイベントも開催する予定なので、気になる方は是非チェックしておこう。
Jua
ラッパー/シンガーソングライター/パフォーマー/モデルという多方面で有望視されるJua(ジュア)。ファンク&ヒップホップバンドALI(アリ)の元フロントマンであり、自主レーベル「Jubi Music」も主宰する。直近では〈mercibeaucoup(メルシーボークー)〉の2020年春夏コレクションでモデルとしての参加のみならず、楽曲も提供。また「Panasonic(パナソニック)」のCMでパフォーマーとして出演するなど活躍の場を広げている。ハワイ生まれの日本/フランス/カメルーンのクオーターであるJua。生み出す楽曲もジャンルの枠に縛られることなく、さまざまなカルチャーやサウンドが融合され、新曲を発表するたびに新たな一面を見せてくれる。サウンドデザイナー Shimon Hoshino(シモン・ホシノ)と共に手掛けた最新シングル『Better Life』『R&R』では3カ国語(日本語・フランス語・英語)を織り交ぜた叙情的なリリックと卓越したフローに心が揺さぶられるだろう。
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August 01, 2020 at 10:00AM
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