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Sunday, June 30, 2024

フジロック&サマソニで観ておきたいアーティスト2024 - 音楽ナタリー

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フジロック&サマソニで観ておきたいアーティスト2024

今年の要注目アクトをライター4人が徹底解説! あなたは誰を観に行きますか…?

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国内外の注目アーティストが勢ぞろいする日本の二大音楽フェス、「FUJI ROCK FESTIVAL」と「SUMMER SONIC」。そこで繰り広げられるさまざまなライブは、オーディエンスに大きな感動を与え、さながら事件のように毎年音楽ファンの間で語り継がれています。

今年の夏はいったい誰のステージが話題になるのでしょうか? この記事では音楽ライターなど4人に、今年のフジロックとサマソニで観るべきだと思う出演アーティストを3組ずつ挙げてもらうアンケートを実施。そしてその理由についても回答してもらいました。この夏フジロックやサマソニに行く予定の皆さんは、ぜひ4人のオススメを参考にして当日のライブを楽しんでください。

構成 / 橋本尚平

※寄稿者を50音順に掲載

小野島大が選んだ今年の注目アクト

フジロックで観るべき3組

  • オマー・アポロ(7/26 GREEN STAGE)
  • フローティング・ポインツ(7/26 RED MARQUEE)
  • トクマルシューゴ(7/27 FIELD OF HEAVEN)

サマソニで観るべき3組

  • ニア・アーカイヴス(8/16 SONICMANIA)
  • RIIZE(8/17幕張|8/18大阪 MOUNTAIN STAGE)
  • AKMU(8/17幕張 PACIFIC STAGE)

最近のアメリカのポップシーンを見ていると、ラテン系アーティストの強さが目立つ。コーチュラにおけるJ. バルヴィンのパフォーマンスの圧倒的な盛り上がりは記憶に新しい。背景にはヒスパニック人口の増加があるわけだが、今年のフジロックで注目したいのはオマー・アポロだ。インディアナ州出身、メキシコ人の両親を持つ27歳。とはいえ彼はJ. バルヴィンのようなイケイケのダンスポップではない。オルタナティブR&Bに近い内省的で繊細な歌を身上とする。ここで彼の名を挙げたのは、6月28日にリリースされた2ndアルバム「God Say No」の出来が素晴らしいから。ルーツであるメキシコ的なラテンポップと、オーガニックで静謐な音響アンビエントサウンドが合致して、1stアルバムよりもアーティストのやりたい理想に近付いたと感じる。このアルバムで大ブレイクしそうな気配があるし、フジ出演はまさにベストのタイミングだ。

オマー・アポロ「Spite」ミュージックビデオ

宇多田ヒカルの新作に参加、スピリチュアルジャズの伝説ファラオ・サンダースの生前最後の共演者でもあるフローティング・ポインツは、エレクトロニックミュージックの枠を超えた活躍を見せる英国テクノの最高峰。ライブでもまず絶対に外すことはないはずだ。

そしてトクマルシューゴは、なんと8年ぶりの新作「Song Symbiosis」をフジロック直前の7月17日にリリース予定。ツアーは8月からだから、フジのステージが正真正銘のお披露目となる。いったいどんな内容になるのかまったくわからないが、比類なき個性と並外れたセンスで日本のインドアインディーポップの代表格であるトクマルの最新モードを、苗場の地でぜひ確認したいところだ。

「SUMMER SONIC」はここ数年アジアのポップミュージックの紹介に力を入れてきた。2015年にまだ世界ブレイク前だったBTS(当時は防弾少年団)が出演したのは半ば伝説となっているが、今年そうした“先物買い”をするならRIIZEだろう。まだ昨年の秋にデビューしたばかりだが、早くも大ブレイクの兆しを見せている。これぞK-POP、と言わんばかりのボーイズグループのど真ん中の王道を行く。歌もダンスも曲も完成度が高く、聴き手の期待を絶対裏切らない安心感・安定感がすでにあるのはすごい。韓国エンタテインメントの底力を感じる大型新人だ。

もちろん韓国の音楽はK-POPだけではない。いや文字通りの「韓国のポップミュージック」というならAKMUこそまさに“K-POP”だ。日本ではまだ無名に近いが、韓国ではすでに国民的な人気があるという兄妹デュオ。ネオアコ、ボサノバ、ヒップホップ、シンセポップなど多様なスタイルだが、英米で言うインディーロックに通じる気取らぬ普段着の等身大のポップスがいい。歌もうまいし曲もいい。

AKMU「Love Lee」ミュージックビデオ

ニア・アーカイヴスは、英国出身のDJ / プロデューサー / シンガーソングライター。今回のサマソニに出演するピンクパンサレスと並び、近年のジャングル~ドラムンベース復興の旗頭と目される。英国のダンスミュージックのポップでポジティブで開放的な一面を強調することで、さまざまな障壁を乗り越えたボーダーレスな理想郷を実現しようとする25歳だ。発売されたばかりの1stアルバム「Silence is Loud」は、レイヴやドラムンベースの躍動感とBlurなどのブリットポップの大衆性を融合させた、ストレートでエネルギッシュなダンスポップを展開している。ライブではきっと若さむきだしの飾らぬエネルギッシュなパフォーマンスで楽しませてくれるはず。

小野島大(オノジマダイ)

音楽評論家。「MUSIC MAGAZINE」「ROCKIN'ON」などのほか、新聞やWebなどさまざまな媒体で執筆活動を行っている。
小野島 大 (@dai_onojima) ・ X
小野島 大|note

照沼健太が選んだ今年の注目アクト

フジロックで観るべき3組

  • The Killers(7/26 GREEN STAGE)
  • ペギー・グー(7/26 WHITE STAGE)
  • 電気グルーヴ(7/26 RED MARQUEE)

サマソニで観るべき3組

  • Number_i(8/17幕張 MARINE STAGE | 8/18大阪 AIR STAGE)
  • タイラ(8/18幕張|8/17大阪 MOUNTAIN STAGE)
  • 千葉雄喜 -Shot Live-(8/16 SONICMANIA)

個人の好みよりも「多くの音楽ファンにとって、新たな出会いとなるであろうアクト」というコンセプトを優先して、3組ずつ選びました。そのため趣味性が高い / アンダーグラウンドな傾向の強い出演者は除外しています。

The Killers
当初予定されていたヘッドライナーであるSZAのキャンセルに伴い、代打として出演決定し、SNSを沸かせたのが彼ら。アメリカ・ラスベガス出身のロックバンドで、2003年デビューのベテランながらも、近年ライブアクトとしての再評価著しく世界中のフェスでヘッドライナーを飾っています。それに伴い、若者の間でも人気が高まっていることから、2024年におけるリアルタイム性が高いバンドとして、新発見あるいは再発見が期待できるアーティストだと思います。

ペギー・グー
韓国出身、ロンドン経由で現在はベルリンを拠点とするDJ / プロデューサーです。ハウスミュージックをベースとしながら、ポップソングのエッセンスを大々的に取り入れた楽曲「(It Goes Like)Nanana」が世界的なヒットを記録。待望のデビューアルバム「I Hear You」をリリースしたタイミングでの来日となります。ダンスミュージックとしてのストイックなエッジを保ったまま、歌モノとしてのポップさを持つ彼女の楽曲は、フジロックの会場で多くの音楽ファンの注目を集めるのではないかと思います。

Peggy Gou「(It Goes Like)Nanana」ミュージックビデオ

電気グルーヴ
石野卓球ピエール瀧による、結成35周年を迎える日本を代表するベテランユニット。インスト楽曲から、涙を誘うロマンチックな曲、思わず笑ってしまうような曲まで幅広い曲を有しながら、そのいずれもがサウンドは一級の電子音楽という唯一無二の存在です。ライブアクトとしての評価も高く、既存楽曲を最新モードのサウンドで鳴らすアレンジや、高いエンタテインメント性を持つパフォーマンスは、多くの音楽ファンに体験してみてほしいと思います。

Number_i
元King & Princeの平野紫耀岸優太神宮寺勇太による3人組グループ。2024年1月1日にリリースされた、全編ラップのデビュー曲「GOAT」が大きな話題となり、アイドルファン以外にもその名前が拡散。アジアのアーティストコレクティブ「88rising Futures」の一員として、世界最大のフェスであるアメリカの「Coachella Valley Music and Arts Festival」のステージを踏んだのち、逆輸入される形で「SUMMER SONIC」に出演することとなりました。新作ミニアルバムにはラッパーPUNPEEが楽曲を提供するなど、さらに広く音楽ファンから注目されている彼らですが、単独公演はファンクラブ優先となるため観るのは困難。ぜひフェスで観ておきたいアクトの1つだと思います。

Number_i「BON」ミュージックビデオ

タイラ
南アフリカ出身、2002年生まれのアーティスト。南アフリカ発祥の注目ジャンル・アマピアノをポップスと融合させた、しなやかなグルーヴとディープなサウンドスケープ、メロウなボーカルスタイルが特徴で、2023年リリースのシングル「Water」が大ヒット。第66回グラミー賞で「最優秀アフリカンミュージック・パフォーマンス賞」を受賞し、そのリミックスに人気ラッパーであるトラヴィス・スコットが参加するまでとなりました。アメリカのみならずヨーロッパでも人気を博しており、すでに世界的トップスター候補の1人であることから、今後日本でライブを観ることが難しくなることも予想されています。サマソニでのパフォーマンスは伝説となりそうな予感。

千葉雄喜 -Shot Live-
きっとTikTokや飲み会のコールで聴いたことがあるはず。あの「チーム友達」を作ったのが、この千葉雄喜です。もともと彼はKOHHというラッパーとして日本のみならず世界でも人気を獲得している存在で、その引退後、本名の千葉雄喜としてキャリアをスタート。その1曲目が「チーム友達」です。アメリカのトップラッパーの1人、ミーガン・ジー・スタリオンの新作アルバムへの参加でさらなる話題を作った彼が「SONICMANIA」に出演。オールジャンルのオールナイトフェスで彼がどのようなステージを見せるのかに期待が高まります。

照沼健太(テルヌマケンタ)

編集者 / ライター / カメラマン。MTV Japan、Web制作会社を経て独立。2014年より2016年末までユニバーサル ミュージックジャパンのWebメディア・AMPの編集長を務める。2018年にコンテンツ制作会社・ホワイトライトを設立。2023年10月末から批評家の伏見瞬とともにYouTubeチャンネル「てけしゅん音楽情報」を開設。
照沼健太/TERUNUMA KENTA
てけしゅん音楽情報 | 今の音楽がわかる - YouTube

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