ビルボードジャパンが発表するチャートをデータごとに分析することができる<Chart Insight>が、2024年3月にリニューアルした。
ビルボードジャパンは、CD売上、ダウンロード、ストリーミング、ラジオ、動画再生数、カラオケの6つのデータを使って総合ソングチャート【Hot 100】を毎週水曜日に発表している。
日本ではここ数年CD売上金額が伸びており、音楽の聴き方は完全にデジタル移行したわけではない。そんな中、アニメタイアップによるヒット、「歌ってみた」「踊ってみた」といった二次創作によるバイラルヒットなどが生まれている。この<Chart insight>は、そういったアーティストによって大きく異なるチャートインアクションが、どのように影響しあっているのかを分析するために有効なマーケティングツールだ。
~<チャート画面>の変更点~
前週順位の表示/アーティスト絞り込み機能追加/UGC追加/など
・総合順位において、前週順位との比較が可能に(全チャートが対象)。
・アーティスト名、作詞家、作曲家でチャートイン楽曲の絞り込みが可能に(非会員は総合20位、Pro会員(月額330円)は総合100位まで)(Hot 100、Hot Animation、Heatseekers Songsが対象)。
上記の機能を活用することで、新曲が総合100位以内に初登場したタイミングで、同アーティストの旧作が総合100位以内に入ってきているのか、前週より上昇しているのか下降しているのか、または他の指標でチャートインしているのかetc...を簡単に検索することができる。
・Top User Generated Songsを追加(※各チャートを構成する指標に含まれない)(Hot 100、Hot Animation、Artist 100、Hot 100 Lyricists、Hot 100 Composers、Heatseekers Songsが対象)。
本チャートは、YouTubeの再生数のうち、UGCの再生数のみを集計することで、ネットでのバズを可視化したチャートだ。今まではチャートページでしか確認することができなかったが、<Chart Insight>に追加したことで、他指標との比較、分析が容易になった。特に動画指標(YouTube)と比較することで、オフィシャルとアンオフィシャルがどういう関係になっているのか、または他の指標でも上位にきているのかetc...を確認できる。
例えば、動画指標で並び替えた上でCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」、tuki.「晩餐歌」、YOASOBI「アイドル」を見てみると、ストリーミング、カラオケ、UGCも上位に来ていることが分かる。「ストリーミングまたは動画で視聴→UGCでも視聴または投稿→カラオケへ」という良い循環が完成していると考えると、Omoinotake「幾億光年」はその循環ができようとしている黎明期なのでは? と予測することができる。また、各指標の遷移は次に紹介するグラフ画面で確認することが可能だ。
~<グラフ画面>の変更点~
週表示と日付表示の切り替えが可能に/指標毎にグラフを設置など
・週表示と日付表示の切り替えが可能に(全チャートが対象)。チャートイン日付は、マウスオーバーすれば従来通りに表示。
・各指標毎に最大4曲まで楽曲比較が可能に。比較中の楽曲と折れ線グラフの種類は上部に表示。また、Artist 100ではアーティスト、Hot 100 Lyricistsでは作詞家、Hot 100 Composersでは作曲家で比較することが可能に。
・各指標と総合順位の比較ができるグラフをそれぞれ設置(全チャートが対象)。右上に設置されている拡大ボタンより、グラフの拡大表示も可能。
・円グラフの構成比を当週のポイントからチャートイン以降の累計ポイント構成比に変更(※UGCは各チャートを構成する指標に含まれない)(全チャートが対象)。
これらの変更点を上手く組み合わせることで、楽曲のリリース週や露出時の動向を追いかけやすくなった。例えば、YOASOBI「アイドル」、Ado「唱」、キタニタツヤ「青のすみか」、Mrs.GREEN APPLE「ダンスホール」、10-FEET「第ゼロ感」を比較してみる。2023年の年末に『紅白歌合戦』に出演したアーティストたちだが、チャートアクションはどうだったのか、一目瞭然だろう。
このように日付表示にすることで、どのタイミングでヒットしたのかを追いかけることができる。また、YOASOBI「アイドル」やCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」といった同じアニメタイアップであっても、ヒットの仕方違いは全く違う。ここでは、それらを総合の棒グラフと各指標の折れ線グラフで比較することが可能だ。
~<アーティストページ>の変更点~
アーティストの功績を遡る
・アーティストページで週間チャート、年間チャートの記録を検索することが可能に。
チャートイン日付、最高位、最高位のチャートイン日付、チャートイン回数も同時に表示され、アーティストパワーを初見でも確認することができる。なお、チャートの種類はプルダウンで選択可能だ。例:Ado
<Chart insight>を駆使して、ヒットチャートを楽しもう
なお、101位以下の楽曲の順位やポイントは、法人向け限定に提供されているが、20位までの順位は誰でも無料で、100位までの順位はPro会員(月額330円)で見ることができる。今、世の中に流れている曲が何をきっかけにヒットしたのか、各指標で、今週の1位はどんな楽曲がチャートインしているのか。<Chart insight>はチャートを通じて、新しい音楽と出会う楽しさに気付かせてくれるツールとしてこれからも進化していく。ぜひ、<Chart insight>を使い倒していただき、ヒットチャートを楽しんでいただきたい。
関連リンク
からの記事と詳細 ( アーティストの動向を知る、ビルボードジャパンのチャート分析サービス<Chart insight>がリニューアル | Special - Billboard JAPAN )
https://ift.tt/OLK25cG
No comments:
Post a Comment