世界的に活躍するアーティストのアヒ・チョイさん(38)が、鳥取大病院(鳥取県米子市)に抽象画の作品を寄贈した。新型コロナウイルスに感染して同病院に入院していた際、コロナ禍を受けて開発された白い紙製の配膳トレー「ぼんだがぁ」をキャンバス代わりに、医療従事者への感謝の思いを込めて筆を走らせた。「ウィズコロナ」の時代を象徴するような作品だ。(但見易史)
兵庫県芦屋市在住で米国やフランス、イタリアなどで作品を発表しているアヒさんは昨年5月、大山(鳥取県)にある知人の別荘で制作するため来県。直後に感染が判明し、約10日間入院した。病室に持ち込んでいたキャンバスがなくなりかけた時に目に留まったのが、毎食の配膳に使われるぼんだがぁだった。
米子弁の「盆でしょ」を意味するぼんだがぁは縦約33センチ、横約50センチ。感染リスクや労務の軽減のため「使い捨てが簡単にできるものを」と同病院などが同年に開発していた。
体調は安定しているが、精神的には不安。そんなアヒさんを、看護師らは「何か困ったことはない」と気づかい、「かかろうと思ってかかったのではないのだから、そんなに落ち込まないで」と励ましてくれた。入院から9日目、アヒさんはアクリル絵の具を使って、感謝の気持ちを表す青を基調にした抽象画をぼんだがぁに描いた。
退院後、作品は芦屋市のアトリエで保管していたが、制作からちょうど1年になる今月18日、病院を訪ねて寄贈した。アヒさんは「医療従事者が目にした時、エールになるような効果が生まれたらうれしい」。受け取った原田省・病院長は「温かいメッセージをいただいた。医療従事者や患者の励みになる」と感謝した。
絵は外来棟に飾られる。
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