井田さんが作品制作において掲げるテーマは、「一期一会」だ。この言葉は、石工として修業していたときの棟梁から学び、インドで出会った少女たちが気づかせてくれた人生のテーマだという。
「たとえ家族や友人など自分がよく知っている人だとしても、その日のその人とは、その時にしか会えません。一度死んで生き還るのに近いというか……。人って面白いなと改めて思ったんです。それから、人をモチーフにするようになりました」
目標は「なんでも面白がること」なのだと、井田さんは笑う。
「木を見て面白いとか、踏み潰された空き缶をキレイだなって思いたい。そんなふうに生きたいんです。大切なのは、それを発見した瞬間の衝動。いつかは失われてしまうけど、それが作品の入り口というか、制作のモチベーションになりますね。友人たちの存在が力になることも多いです。皆それぞれ外には出さないけれど、めっちゃ努力してるのを知ってますし。制作してる時の作家ってすごく孤独なんですが、彼らに負けてなんかいられないって思うと頑張れるんですよ」
プロフィール
1990年、鳥取県生まれ。幼少期から創作に親しみ、2019年に東京藝術大学大学院油画修了、在学中から作品を発表し国内外で活動を続ける。「一期一会」をコンセプトに、二度と出会うことのない「今」を絵画や版画、彫刻で表現している。
ダイナミックなストロークとテクスチャーによる独創的な表現が井田さんの作品の特徴。人物画や抽象画、彫刻作品も手掛ける。
WORDS BY JUNYA HASEGAWA @ AMERICA
PHOTOGRAPH BY OGATA (IDA)
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