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Sunday, April 17, 2022

画家・中西 伶──ファッションの“いま”を 創り出すアーティストたち その3 - GQ JAPAN

bintangsef.blogspot.com

中西 伶

画家

雑誌で目にした現代アーティスト・山口歴(めぐる)さんの作品に衝撃を受け、グラフィックデザイナーの職をなげうち、渡米。ニューヨークのスタジオで山口さんのアシスタントを務めながら徐々に自身のスタイルを模索し、作品制作をスタートしたという中西伶さん。

「デザイナーをしていた頃は、グラフィックとしての完成に"天井"を感じていたというか……。とにかく満足ができなかったんです。何かに突き動かされて制作が進むような衝動はもうそこにはなくて、本当にやらなくちゃいけないことがほかにあるんじゃないかという気持ちを抱えたまま日々を過ごしていました。そんなときに歴さんの作品に出合ったんです。Facebookで歴さんにコンタクトを取り、ニューヨークのスタジオに押しかけて、どうにかアシスタントとして採用していただきました」

グラフィックデザイナーとしての経験によって培った技術でモチーフをつくり、ハンドペインティングのタッチやテクスチャを活かしたレイヤーを融合させた表現世界。それは、デジタルとフィジカルが高次元で両立する現代ならではの、中西さん固有のものだろう。

スカル、花、人、そして惑星─これまでさまざまなモチーフを描いてきた中西さんだが、じつはそこには彼なりのルールがあるのだとか。

「人間がアートを楽しんできた歴史のなかで、"ずっと変わらずそこに存在したもの"を題材に選んでいます。僕の場合、ツールやスキルが現代的なものであるからこそ、モチーフはそういう風にプリミティブな方がいい。逆に油絵などのトラディショナルな技法の作家なら、歴史の中でも僕たちの時代にしかないような、モチーフや状況を描くことで存在感が際立つ。そういうバランスの取り方が必要な時代だと思っています。僕の制作には私小説的な、個人の思い出を作品にするような動機はありません。もっと大きいものに向かっていきたいと、つねに思っています」

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