音を見る、イメージを聴く、物質としてレコードを扱う、など、音楽とイメージをめぐるテーマで制作してきました。中でも、日本のマンガのオノマトペ(擬声語)をずっと追いかけています。西洋のマンガと異なり、文字と絵の描写が一体化して、ストーリーを理解するために重要ですよね。擬声語は音を無理矢理、言葉に翻訳します。その翻訳の過程で失われる情報がある、正確ではないことで、読む人の想像のヒントとなる、そこがおもしろい。書道と通じると感じます。
1980年代から一貫して、その時々の社会を表現に反映させてきました。現在のパンデミックやデモクラシーへの脅威にアーティストとしてどう対応するか。人々は今までにない恐れを感じています。たとえばマスクで半分になった「顔」をコラージュ作品に表現しました。ロンドンでのロックダウンの間は、一人で紙とハサミと糊を用いて、手を動かしていました。基本に立ち返る制作で、自分を振り返ることができたと思います。
私の作品はオーディエンスに開かれています。社会の状況へのリアクションといっても、説教くさく押し付けることはしたくない。どのように受け止めるか、その人の自由です。
いつも、コンテンポラリー(=今ここにあるもの)を見せたいと強く思っています。未知の作品を探し求めることに喜びを見出すので、自分の過去の作品と向き合うのは躊躇するのですが、「翻訳」というテーマによって、作品同士の対話ができた。新たな視点の展覧会になりました。
からの記事と詳細 ( 世界的アーティストがマンガの擬声語にハマった理由──「音を見て、イメージを聴く」とは? - VOGUE JAPAN )
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