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Wednesday, December 22, 2021

アーティストではなく、職人になりたかった。今でも「勘違いしないように」を心がけて――羽多野渉さん音楽活動10周年記念連載企画『Wataru’s Music Cafe』Part,2「Artist Road」編 - アニメイトタイムズ

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声優アーティストとして活躍中の羽多野 渉さんが2021年12月21日に活動10周年を迎えます。12枚のシングル、フルアルバムとミニアルバム3枚をリリースし、2015年のツアー以降、毎年ライブも行ってきました。

そんな羽多野さんの音楽活動を振り返りつつ、想いを語っていただく連載企画『Wataru’s Music Cafe』を4回に渡ってお届けしています。

Part.2の今回は「Artist Road」と題して、音楽活動を始めた経緯やターニングポイントになった曲、想い出深いMV撮影など振り返っていただきました。

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音楽の知識や経験値の必要性を感じていた頃のオファーが。音楽活動はあくまで声優として

――アーティストとして音楽活動をすることになった経緯とどんな想いで音楽に向き合っているのでしょうか?

羽多野 渉さん(以下、羽多野):声優活動をしていく中で、「音楽活動に興味はありますか?」と事務所から打診されて。アーティストデビューした2011年は声優が歌を収録する機会が少しずつ増え始めてきた頃で、アイドルの活躍を描いた作品もチラホラ出始めてきて。僕自身は歌うことは大好きだけど、音楽的な知識や経験値は足りていなくて、このままでは通用しないなという実感がありました。だから経験値を積まなくてはと思っていた時期のオファーだったので、「ぜひ挑戦させてください」と。まずはどんな世界なのか、体験してみないと経験も得られないと思って、音楽の世界に飛び込みました。

でも声優のお仕事をしながら音楽活動するということで一番難しいのは続けることだろうなとも思っていました。長く続けたり、線引きをハッキリさせてしまうと、役者とアーティストの自分に分かれてしまう気がして。だから僕は、声優活動の中で音楽をやりたいと思ったんです。 
そういう考え方や取り組み方は最初、なかなか理解してもらえなくて、「アーティストとしての自覚を持ってください」とよく言われました。でも僕はアーティストではなく、職人になりたかったんです。アーティストとして扱われることには感謝しているけど、自分の中で「勘違いしないように」と常に心がけて。立ち位置や自分の心の置きどころに関しては今も変わっていないと思います。

1つひとつが初めて見る景色で、そこに連れていってもらえたことは嬉しかったですし、1枚目のシングルから枚数を積み重ねてきたことで、音楽活動を続けてきた分の厚みが自信や経験値になった気がします。

思い起こせば、1枚目の「はじまりの日に」のレコーディングでは、マイク前で歌ってみたら全然声が出なくて。作詞(共作)と作曲をしてくれた山下(洋介)くんが別室でキーボードを弾いてくれて、発声練習から付き合ってくれて、スタジオでレッスンして、そのままレコーディングするみたいな感じでした。それまでキャラクターソングはいろいろ歌ってきたけど、こんなことはありませんでした。

――キャラクターソングは、キャラクターとして歌うことを求められますが、自分自身で歌ってくださいといざ言われると考えてしまいますよね?

羽多野:それまで「羽多野 渉の表現」について向き合ってきたことがなかったんですよね。だからデビュー曲の「はじまりの日に」は、タイトルそのままで、音楽の奥深さやすごさを教えてくれた曲でした。

異例だったミュージアム曲でのデビュー。羽多野さん自身を音楽で表現した三部作

――「はじまりの日に」のリリース当時は、羽多野さんの素朴で優しい人柄にピッタリだなと思いつつも、こういうミディアム系の楽曲をシングル表題曲に持ってきたことに驚きました。

羽多野:そんなことを当時、いろいろな人から言われました。「普通、声優アーティストのデビューシングルにこういう曲を持ってこないですよ」って(笑)。でもプロデューサーさんは、1枚目から3枚目までは羽多野 渉をイメージしたいと。打ち合わせや雑談などを通じて見えてきた僕の人間性を感じ取って、作曲家さんが作ってくださったのが1枚目から3枚目までで。

「はじまりの日に」(1st)はリリース当時の僕で、「流星飛行」(2nd)は故郷の長野にいた頃の学生時代の僕、「君はぼくが帰る場所」(3rd)は、大人になった僕が長野への郷愁や想いを歌った故郷へのラブソングです。どれも時代は違うけど、全部羽多野渉を表現してくれて。他者が見た自分を音楽で表現したらこうなるんだという感動もありましたし、ライブでも大切に歌い続けている曲なので、思い入れが特に強いかもしれません。

――最近、羽多野さんの曲を聴き始めた方には、三部作は意外に感じるかもしれませんね。

羽多野:他の声優アーティストさんからもよくCDをいただきますが、めちゃくちゃカッコいいんですよね。畠中(祐)くんなんて、ソリッドな曲でダンスも超絶に上手だし、同じレーベルからデビューした梶原(岳人)くんも最高にカッコいい!色んなアーティストさんがいますが、僕は一度聴いたら忘れないキャッチーさではなく、じんわりとした温かさを最初に表現させていただきました。それはすごくありがたかったなと思います。当時はただただ必死だったので、そのありがたさを理解する余裕はありませんでしたが、今こうして全シングルのジャケットを見るとそのありがたさを実感します。

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