2021/08/22 10:35 ウェザーニュース
西日本から東日本にかけての陸域で発生した地震がやや目立ちました。震度3以上の地震は5回発生しています。(8月16日~22日10時の集計)
滋賀県北部を震源とする震度4以上の地震は2014年12月以来です。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。
琵琶湖が断層の活動によって形成されたと言われているように、滋賀県内には知られている活断層が多数存在しています。今回の地震の震源は、「柳ヶ瀬・関ヶ原断層帯」に近く、地震のメカニズムはこの断層帯の活動タイプと同様です。
琵琶湖の東岸では1994年にマグニチュード5.3の地震が発生し、彦根市や三重県四日市市で震度4を観測しました。また、1909年には姉川地震(江濃地震)と呼ばれるマグニチュード6.8の地震によって、大きな被害の出た記録も残っています。
政府の地震調査研究推進本部は「柳ヶ瀬・関ヶ原断層帯」の今後の活動について、断層帯北部で30年位以内にほぼ0%(マグニチュード7.6程度)、中部や南部に関しては平均活動間隔がわかっていないため、不明としています。
広島県北部では今回の震源の南西側の領域で時々大きな地震が発生しており、2011年にはマグニチュード5.4で最大震度5弱、少し遡って1930年にはマグニチュード6.1の地震の記録が残っています。
島根県との県境に近い今回の震源付近に知られている活断層はないものの、過去の大きな地震が起きている三次市周辺には活断層の存在が考えられてます。
広島県の被害地震は内陸よりも沿岸部で発生するものが大半です。内陸部での直下型地震も心配ではありますが、安芸灘などで起きる地震に注意しておく必要があります。
八丈島近海を震源とするマグニチュード5以上の有感地震は2016年7月以来です。防災科学技術研究所による速報解析では南西ー北東方向に張力軸を持つ正断層型と解析されています。八丈島近海ではこの地震の前の15日(木)の深夜に震度1の地震があり、16日(金)~17日(土)にかけてはマグニチュード4前後の地震が多く発生しています。
八丈島の沖合で発生する地震としては、東方沖のプレート境界型が多く、最近では2009年にマグニチュード6.6、最大震度5弱の地震が起きました。今回のような八丈島の西側は深さ200km前後の深発地震が比較的目立ち、浅い所の強い地震は時々マグニチュード5クラスが発生している状況です。
太平洋プレートが深く沈み込んでいる場所では同様の深発地震がしばしば起き、数年に一度マグニチュード6以上の規模の地震も発生します。一方、一度の地震での余震がほとんどないことも特徴です。
日本時間の18日(水)夕方に南太平洋のバヌアツ近海でマグニチュード6.9、深さ約90kmと推定される地震が発生しました。地震のメカニズムは横ずれ型と解析されています。
バヌアツ近海は太平洋プレートとオーストラリアプレートの境界に位置し、しばしば大きな地震が発生しています。今回の震源近くでは2015年にマグニチュード7.1、深さ約135kmの地震が起きるなど、やや深い所の大きな地震が目立っています。
地震は均等な間隔で起きるわけではなく、多い時期と少ない時期を繰り返します。今年の傾向を見ても、5月はマグニチュード6.5以上の発生が6回でしたが、6月はわずか1回、7月も3回に留まっていました。
地球規模の活動は人間の時間軸に比べて、長いスパンで動いています。月ごとや年ごとの変化は微妙な揺らぎに過ぎません。常日頃からの備えがやはり重要になります。
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
からの記事と詳細 ( 週刊地震情報 2021.8.22 16日(月)滋賀県北部で立て続けに震度3以上の地震発生 - ウェザーニュース )
https://ift.tt/385sEcG
No comments:
Post a Comment