政府が新型コロナウイルスワクチンの職場や大学での接種を打ち出したことを受けて、兵庫県内の企業や経済団体などでは「何も聞いていない」「実現は難しい」と、突然の方針に困惑が広がった。その一方で「できる限り協力したい」と、前向きに検討を始める企業も出てきている。
工具インターネット通販のMonotaRO(モノタロウ、尼崎市)の担当者は「国からの要請はなく、何も決まっていない。国や各企業の情報を収集している段階」と話した。
国は接種を行う医師の確保ができる企業を想定しているが、化学メーカーの担当者は「現実的に難しい」と指摘する。「産業医には通常の仕事もあり、打ち手以外のスタッフの手配も必要になる。どこまで企業に任されて、外部の協力が得られるのかが分からない」と戸惑いを隠さない。
一方、川崎重工業(神戸市中央区)は、実施を前提に会場や時期、接種対象者を調整しているという。橋本康彦社長は1日の会見で、「企業として積極的に協力し、接種を推進していきたい」と述べた。
従業員のワクチン接種日に特別休暇の取得を認めている商社の神栄(同)も「自社でできるなら取り組みたい」と前向きだが、「接種人数や費用負担など不明点が多い」とした。
シスメックス(同)は、前向きに検討を始めたが「接種場所について政府の規制緩和がどこまで進むのか、状況を確認中」という。
神戸商工会議所には、中小の会員から問い合わせが増えており、担当者は「何も決まっていないが、中央団体などの情報を精査したい」と対応を急ぐ。
県内企業の組合が加盟する健康保険組合連合会兵庫連合会(同)は、東京の本部からの連絡を待っており、「県内健保組合の動きを把握して体制などを整理し、(実現に向けて)最大限の協力をしたい」との考えを示した。
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県内の大学関係者も戸惑う。約2万6千人の学生・教職員がいる関西学院大(西宮市)は「ワクチンを打つ医療従事者をどうやって確保すればいいのか。協力したいが、何も分からない」と情報収集に追われた。
医学部がある神戸大も「神戸市の大規模接種に協力しており、人員が足りないのでは」と推測。甲南大の担当者も「接種会場が提供可能かの調査には回答したが、それ以外は分からない」と困惑した。
兵庫県ワクチン対策課には、企業や大学から「職場接種とはどのようなものか」と問い合わせが寄せられている。担当者は「企業などが接種を行うには自ら医師を確保することになっており、市町が進める接種に影響がないようお願いしたい」とする。
からの記事と詳細 ( 職場で接種 情報収集の段階、規制緩和次第… 県内企業は暗中模索 - 神戸新聞 )
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