2021/06/06 10:09 ウェザーニュース
この1週間で国内で観測された地震回数は前週に比べると少ない水準です。本州の内陸部や南西諸島での地震がやや目立っています。震度3以上の地震は1回発生しました。(5月31日~6月6日10時の集計)
富山湾が震源で震度3以上を観測する地震は2015年2月1日(マグニチュード4.4、最大震度4)以来、6年ぶりのことです。地震のメカニズムは北西ー南東方向に圧力軸をもつ逆断層型と解析されています。
富山湾で発生する浅い地震でマグニチュード4を超えるような規模のものは、ほとんどが能登半島沿岸で起きています。今回の震源は能登半島の邑知潟(おうちがた)断層帯の延長線上に当たりますが、実際に海底まで断層が達しているかどうかは不明です。
政府の地震調査推進本部は邑知潟断層帯の活動により今後30年以内に2%の確率で、マグニチュード7.6程度の地震の発生する可能性があるとしています。能登半島は2007年の能登半島地震など、北側での地震が比較的目立つものの、南側も地震のリスクが低いわけではありません。
トカラ列島近海の地震活動は小康状態でしたが、20日(火)にマグニチュード3.0、震度3の地震が起き、さらに震度4の地震が発生したことで、再度の活発化が心配されました。震度4の地震のあとに最大震度1の地震が4回あったもののすぐに落ち着き、22日(木)以降の有感地震は1回のみです。
和歌山県南部を震源とする震度3以上の地震は今年4月13日以来です。地震のメカニズムは北東ー南西方向に張力軸をもつ、正断層型と解析されています。
和歌山県は知られている活断層はないものの、フィリピン海プレートの沈み込む角度の違いや地質の影響などで、地震活動が活発な地域です。今回の震源付近では深さ50km前後の地震が多く、時々マグニチュード5を超えるような規模の地震が起きています。同じ和歌山県でも北部は深さ10km未満の浅い所で起きる地震が多く、少しタイプが違います。
太平洋プレートが深く沈み込んでいる場所では同様の深発地震がしばしば起き、数年に一度マグニチュード6以上の規模の地震も発生します。一方、一度の地震での余震がほとんどないことも特徴です。
日本時間の5月31日(月)16時頃にアラスカを震源とするマグニチュード6.1の地震が発生しました。深さが約44kmと少し深かったことや、震源が内陸の森林地帯だったため、地震による影響は特に出ていません。
アラスカの地震と言えば海溝型の巨大地震が良く知られていますが、内陸部でもしばしば大きな地震が発生します。最近では2002年に今回の震源より少し北でマグニチュード7.9が起きました。地震のメカニズムは横ずれ型です。
プレート境界で発生する巨大地震と、プレートの動きによる圧力で歪が溜まり発生する直下型地震の両方が起きるのは、日本と同じくプレートの沈み込み帯に共通する点です。
規模はそれほど大きくなく、震央付近では日本の震度階級で震度2程度に相当する揺れになったと見られます。日本時間の8日(木)朝にかけて継続し、マグニチュード1以上の地震は100回以上に達しました。
ロサンゼルスなどカリフォルニア州では長大なサンアンドレアス断層がよく知られていますが、今回の震源域はそれよりも少し南に離れた領域です。地震のメカニズムもサンアンドレアス断層付近で多く見られる横ずれ型ではなく、逆断層型と解析されています。地震が集中した地域では小規模な断層帯がいくつも分布しており、これらの活動が関連していると考えられます。
この小規模な断層帯周辺でも過去に大きな地震が発生したケースは見られ、今回の震源より少し北西側では1994年にマグニチュード6.7が起きています。ノースリッジ地震と呼ばれる地震で、ハイウェイが崩壊するなど建築物に大きな被害が発生し、50人以上の方が亡くなりました。
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
からの記事と詳細 ( 週刊地震情報 2021.6.6 3日(木)に富山湾でM4.1 震度3以上の地震は6年ぶり - ウェザーニュース )
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