世界上位250社のうち過半数が気候変動リスクを開示していることが分かった。日本企業はトップの認識が高まっている半面、脱炭素に向けた実行力に課題がある。
KPMGジャパンは2021年1月、世界のトップ企業が気候変動リスクと「ネットゼロ(脱炭素)」への移行についてどのように報告しているかを調査した結果を公表した。
調査対象とした「フォーチュングローバル500」(2019年度)の上位250社の過半数が気候変動リスクを開示している。一方で開示の「質」と「量」について改善が必要であることが明らかになった。以下、国別の企業の状況を詳しく見ていく。
まず、年次報告書でCEO(最高経営責任者)または取締役が気候変動リスクに言及している割合は、ドイツ(59%)と日本(54%)が半数を上回った。世界の平均(33%)と比べても高く、トップダウンで対応している様子がうかがえる。温室効果ガスの2大排出国である中国と米国はともに平均を下回った。
■ CEOまたは取締役が年次報告書で気候変動とそのリスクについて言及している割合
出所:KPMGジャパン(グラフ5点とも)
政府が開示を後押し
次に、年次報告書に明確なセクションを設けたり、個別の報告書を発行したりして気候変動リスクを開示している割合は、フランスが78%と突出して高かった。15年に上場企業に気候変動リスクの開示を義務付けたことが影響しているとみられる。
日本は36%で2位だった。20年11月に、金融庁が気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づいた開示の好事例を公表したことが後押ししたようだ。
■ 気候変動リスクを年次報告書の明確なセクションあるいは個別リポートで開示している割合
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