2021/05/02 10:17 ウェザーニュース
この1週間で国内で観測された地震回数は、前週に比べて減少しています。全体の地震回数は少ないものの、東北の沖の地震活動が引き続き活発です。震度3以上の地震は2回発生しました。(4月26日~5月2日10時の集計)
この地震で宮城県石巻市、大崎市、涌谷町で最大震度5強、青森県階上町、岩手県一関市、釜石市、宮城県仙台市、気仙沼市、福島県相馬市、南相馬市など東北太平洋側の広い範囲で強い揺れとなっています。
地震発生から1週間程度は最大震度5強程度の強い揺れを伴う地震の可能性があり、特に2~3日の間は強い揺れをもたらす地震が起きることが多くあるため注意が必要です。
国内での震度5強以上の地震は2月13日の福島県沖(最大震度6弱)、3月20日の宮城県沖(最大震度5強)に続いて今年3回目で、いずれも東北地方の沖が震源です。
3月20日の震源よりもやや南東で発生し、地震のメカニズムは20日と同じく西北西ー東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。プレート境界で起きた地震とみられ、1978年や1937年に起きた周期的に発生しているいわゆる「宮城県沖地震」の震源に近い領域です。
政府の地震調査研究推進本部は今後30年以内に宮城県沖でマグニチュード7.9程度のプレート間地震の発生確率を20%程度、マグニチュード7.0~7.5のひと回り小さいプレート間地震の発生確率を90%程度としています。今回よりもさらに強い地震の発生が懸念されているエリアですので、引き続き地震への備えはしっかりと行ってください。
トカラ列島近海の地震活動は小康状態でしたが、20日(火)にマグニチュード3.0、震度3の地震が起き、さらに震度4の地震が発生したことで、再度の活発化が心配されました。震度4の地震のあとに最大震度1の地震が4回あったもののすぐに落ち着き、22日(木)以降の有感地震は1回のみです。
震度3以上を観測する地震も14日(水)の13時53分に起きたものが最後で、昨日17日(土)は震度1以上の発生がありませんでした。一連の活動は収束したと見られます。
ただ、トカラ列島近海はこうした活動が頻繁に発生していますので、落ち着いた状況のうちに対策など不足している所がなかったか確認しておくと良さそうです。
太平洋プレートが深く沈み込んでいる場所では同様の深発地震がしばしば起き、数年に一度マグニチュード6以上の規模の地震も発生します。一方、一度の地震での余震がほとんどないことも特徴です。
今回注目する地震は日本時間の28日(水)に発生したマグニチュード6.0の地震です。震源はインド北東部のアッサム地方で、震源の近くでは改正メルカリ震度階級でVII(日本の震度階級では震度5前後に相当)の揺れになったとみられています。この地震での大きな被害については報告されていません。地震のメカニズムは北北東ー南南西方向に圧力軸を持つ逆断層型です。
今回の地震があったインド北東部はインドプレートとユーラシアプレートの境界付近で、マグニチュード6超の地震はしばしば発生しています。1943年には少し東側の領域で、マグニチュード7.2の地震が起きた記録もあります。
規模はそれほど大きくなく、震央付近では日本の震度階級で震度2程度に相当する揺れになったと見られます。日本時間の8日(木)朝にかけて継続し、マグニチュード1以上の地震は100回以上に達しました。
ロサンゼルスなどカリフォルニア州では長大なサンアンドレアス断層がよく知られていますが、今回の震源域はそれよりも少し南に離れた領域です。地震のメカニズムもサンアンドレアス断層付近で多く見られる横ずれ型ではなく、逆断層型と解析されています。地震が集中した地域では小規模な断層帯がいくつも分布しており、これらの活動が関連していると考えられます。
この小規模な断層帯周辺でも過去に大きな地震が発生したケースは見られ、今回の震源より少し北西側では1994年にマグニチュード6.7が起きています。ノースリッジ地震と呼ばれる地震で、ハイウェイが崩壊するなど建築物に大きな被害が発生し、50人以上の方が亡くなりました。
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
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