2021/03/28 11:05 ウェザーニュース
この1週間で、国内で観測された地震回数は、宮城県沖の地震があった前週に比べると大幅に減少しました。福島県沖~宮城県沖にかけて地震の多い状況は続いています。震度3以上の地震は1回発生しています。(3月22日~28日10時の集計)
防災科学技術研究所による速報解析では、北北西ー南南東方向の圧力軸を持つ逆断層型で、やや横ずれ成分を含むメカニズムとなっています。
八丈島東方沖は太平洋プレートがフィリピン海プレートに沈み込んでいる境界に近く、しばしば大きな地震が発生します。最近では今回の震源よりも少し南側で、2017年11月にマグニチュード6.0の地震がありました。1972年には今回と比較的近い領域でマグニチュード7.2の大きな地震が発生し、八丈島で震度6(当時の階級)、東京都千代田区など関東南部の広範囲で震度4の強い揺れに見舞われています。
また、長周期地震動と呼ばれる波長の長い揺れも広範囲で観測され、福島県中通りでは最も強い「階級4」となりました。「階級4」ではビルなどの建物の中で、「立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされる。」状況が想定されています。
14日(日)10時時点で余震活動はそれほど活発ではなく、震度3の観測はマグニチュード7.3の地震の発生から28分後と43分後の2回のみです。ただ、地震発生から1週間程度は強い揺れに見舞われる可能性がありますので、室内の片付けなどを行う場合は、揺れた時すぐに安全を確保できるようにしてください。
また、急な斜面では土砂災害、積雪の多い地域では雪崩にも注意が必要です。
地震の規模はマグニチュード6超と大きかったものの、深さ約150kmのいわゆる深発地震だっため、最大震度は2に留まりました。宮古島北西沖で発生する地震には、「沖縄トラフ」と呼ばれる海底の窪んだ領域で発生する比較的浅い地震と、沈み込んでいるフィリピン海プレートと陸地のプレート境界付近で発生する深い地震があり、今回は後者に当たります。
マグニチュード5クラスの地震は比較的多く、最近では2019年7月に発生していますが、マグニチュード6クラスは一気に減少し、1961年12月に発生したマグニチュード6.2、深さ約258kmの地震以来です。
震源が深く揺れが伝わりにくいとは言え、今回の震源から少し北東に離れた沖縄本島北西沖では2011年にマグニチュード7.0の深発地震が発生して、多くの地点で震度4を観測した事例もあり、油断は出来ません。
太平洋プレートが深く沈み込んでいる場所では同様の深発地震がしばしば起き、数年に一度マグニチュード6以上の規模の地震も発生します。一方、一度の地震での余震がほとんどないことも特徴です。
注目の地震はカリブ海・グアドループの北北東沖で発生した地震です。日本時間の26日(金)にマグニチュード5.8、深さ19kmの地震が発生しました。メカニズムは西南西ー東北東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。
カリブ海東部のグアドループやドミニカなどの近海はカリブプレートと北米プレート、南米プレートの境界に近く、時々大きな地震が発生します。震源が浅いタイプと深いタイプがあり、2007年には深さ156kmでマグニチュード7.4が発生、浅いタイプでも少し遡った1974年にマグニチュード7.4の記録があります。
現段階では溶岩流が中心の噴火活動で、流出している範囲は限定的です。人口密集地からは離れているため、すぐに大きな影響を及ぼすことはないと見られています。
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
からの記事と詳細 ( 週刊地震情報 2021.3.28 28日(日)八丈島東方沖でM5.8 関東広域で揺れを感じる - ウェザーニュース )
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