クーデターで国軍が権力を掌握したミャンマーでは9日も、各地で抗議デモが続いた。ヤンゴンなどの主要都市では5人以上の集会が禁じられたが、大勢の市民が街頭に出てアウンサンスーチー氏の解放などを訴えた。警察はゴム弾などによる強制排除に乗り出し、1人が重体になった。国軍も強硬措置をちらつかせ始め、緊張が高まっている。
大規模デモは6日から4日連続で、地元報道によると10万人超だった8日をさらに上回った。首都ネピドーでは警察がゴム弾などを発射し、取材中の記者を含む数人にあたった。ロイター通信によると、女性1人が重体で、医師は「X線検査によると頭部内に実弾がある」と語った。脳死状態との地元報道もある。実弾を使ったなら国内外からの批判の高まりは必至だ。
第2の都市マンダレーではデモ参加者ら30人以上が拘束された。現地メディアによると、警察は市民らに催涙ガスを放ち、放水もした。中部バゴーでも、バイクに乗って抗議していた市民らが警察から放水を受ける映像がSNSに流れた。最大都市ヤンゴンでは複数の場所で数千人規模のデモが起きた。デモ隊への対応は基本的に警察だが、国軍兵士らが背後で待機する姿が目撃されている。
国軍は8日、国営テレビ局を通じて「国家の安定や法の支配を妨害する犯罪には、法的措置を辞さない」と警告。その後、ヤンゴンなど主要都市では5人以上の集会が禁じられ、午後8時から午前4時の夜間外出も禁じられた。
デモの実施は集会の禁止命令違反だが、多くの市民が街頭に出た。ヤンゴンでデモに参加した男子大学生テットーさん(20)は朝日新聞助手の取材に「警察や軍の武力行使を恐れてはいない。我々は平和的にデモを続けている。もし当局の武力行使で血が流れたら、デモをさらに拡大して対応する」と話した。
ミャンマーでは過去にも大規模な民主化運動が起きた際に、国軍が無差別に市民に発砲するなどして、力で抑え込んできた経緯がある。国軍はさらに強硬な手段で鎮圧に乗り出す可能性がある。(バンコク=福山亜希)
総選挙実施表明「過去の軍政とは違う」
ミャンマーのミンアウンフライン国軍最高司令官が8日夜、クーデター後初めて国民向けに演説し、非常事態宣言解除後の総選挙実施を改めて表明した。従来の外交・経済政策も継続するとし、「過去の軍事政権とは違う」と主張した。1日のクーデターで広がった国民の反発や不安を抑える意図があるとみられる。
テレビ演説でミンアウンフライ…
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