2021/01/03 10:12 ウェザーニュース
この1週間で、国内で観測された地震回数は前週に比べると減少しました。震度3以上の地震は2回発生しています。この期間は東日本、北日本の太平洋側で地震が多くなりました。(12月28日~1月3日10時の集計)
茨城県沖を震源とする地震で震度4以上を観測したのは2020年11月22日以来です。地震のメカニズムは西北西ー東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、この地域で多く見られるパターンでした。
茨城県の北部沿岸の深さ50~60kmは太平洋プレートが沈み込む境界に近く、プレートの境界付近で発生した可能性が高いと考えられます。
今回の震源付近は地震が非常に多く、マグニチュード5を上回る地震が目立ちます。2016年7月や2012年3月には最大震度5弱を観測する地震も起きており、普段から注意が必要な地域です。
去年12月18日に発生したマグニチュード5.0で最大震度5弱を観測した地震の震源と非常に近く、一連の活動の一環と考えられます。
年末になって活動が落ち着いていた所で発生し、発生後の数時間程度は震度1を観測するような地震が相次ぎました。2日(土)以降も弱い地震の発生は続いており、震源に近い利島や新島などは念のため注意が必要です。
今回の地震は、千島海溝から北西に向かって沈み込む太平洋プレートの深部で発生した地震とみられます。
太平洋プレートが深く沈み込んでいる場所では同様の深発地震がしばしば起き、数年に一度マグニチュード6以上の規模の地震も発生します。一方、一度の地震での余震がほとんどないことも特徴です。
前述した2013年にオホーツク海で発生したマグニチュード8.3の地震では、最大震度こそ3に留まったものの、震度1以上の揺れは九州まで到達しました。深発地震でも規模が大きくなると揺れの影響が出てきますので、油断が出来ません。
もうひとつが日本時間の12月29日(火)にクロアチアで発生したマグニチュード6.4の地震になります。震源が約10kmと浅く、震源付近では強い揺れに見舞われました。多くの建物の倒壊が発生し、複数の亡くなった方が出ています。
クロアチア国内のマグニチュード6.4は近代の地震計によって観測されるようになってからは最大の地震です。クロアチアはユーラシアプレート上に位置しており、地震がそれほど多い地域ではありません。ただ、北西から南東方向に伸びる断層があると考えられ、今回の地震のメカニズムは断層の方向と一致する、横ずれ型と解析されています。
この地震が発生する1日前には北東に少し離れた所でマグニチュード5.2の地震が発生しており、前震ー本震型であった可能性があります。
今回の震源はアナトリアプレートの西側の領域にあたり、南北に引っ張られる動きをしていると考えられています。地震のメカニズムは南北方向に張力軸を持つ正断層型と解析され、考えられている動きと調和的です。2017年に同じトルコ西岸で発生したマグニチュード6.6の地震も正断層型と解析されています。
マグニチュード5を超えるような余震が発生しており、救出・復旧活動への影響やダメージを受けた建物の新たな倒壊などが心配されます。
※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所(USGS)より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。
からの記事と詳細 ( 週刊地震情報 2021.1.3 年の瀬の12月30日に関東グラリ 最大震度4の地震発生 - ウェザーニュース )
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