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Monday, September 21, 2020

プライバシーそっちのけ 両陣営とも競って位置情報を集票に活用 - 東京新聞

<2020米大統領選・ネットの攻防(上)>
 今年の米大統領選は、新型コロナウイルスの影響で大規模集会や戸別訪問など有権者とじかに接触する機会が限られ、これまで以上にネットへの依存度が高まっている。プライバシーに踏み込んでまで有利に使おうとする共和、民主陣営の思惑や、悪用を防ぐ対策に躍起のハイテク企業の動きを追った。(ワシントン・白石亘)

◆コロナ禍による巣ごもりでネット戦略加熱

 「教会によく行く人ほど信仰心が強く、共和党に投票する可能性が高くなる」―。共和党のトランプ大統領を支持する保守系の政治団体「カトリック・ボート」のブライアン・バーチ代表は、人々がどれぐらいの頻度で教会を訪れているか、追跡している。

 スマートフォンの位置情報を基に、ある一定の期間に特定の場所を訪れた人を割り出せる「ジオ・フェンシング(仮想の柵)」と呼ばれる技術を活用。3カ月間で教会に少なくとも3回通った「熱心」なカトリック教徒を調べると、中西部のウィスコンシン州では20万人近くに上った。

 有権者名簿と照合すると、そのうち半数近い9万人が有権者登録をしておらず、そもそも投票する資格がないことが分かった。

◆信心深い人はトランプ氏、中絶反対者はバイデン氏の潜在票!?

 同州はトランプ氏が4年前の選挙で得票率の差1%未満で民主党のヒラリー・クリントン氏に競り勝った激戦州だが、現在はバイデン前副大統領に世論調査でリードを許す。

 バーチ氏は「カトリック票という『眠れる巨人』を教育し、目覚めさせる必要がある」と強調。勝敗を決する激戦州で、潜在的なトランプ支持層を選挙に参加させるため、有権者登録を促す活動を続ける。

バイデン氏の妊娠中絶に対するスタンスを批判する保守系団体「カトリック・ボート」の動画広告

バイデン氏の妊娠中絶に対するスタンスを批判する保守系団体「カトリック・ボート」の動画広告

 15日からは同州やペンシルベニアなど6つの激戦州で、妊娠中絶に反対する信者に向け、「バイデン氏は中絶費用を公的に支援する政策を支持している」と訴える運動を始めた。動画広告の配信などに970万ドル(約10億円)を投じる。

 一方、バイデン陣営は激戦州の南部フロリダ州で、有権者の2割を占めるヒスパニック系の住民に対し、ネットの検索履歴などからキューバやプエルトリコなど出身国を割り出し、その国のアクセントに変えたスペイン語の動画メッセージを送っている。有権者との距離を縮める作戦だ。今や個人データと広告技術を組み合わせた選挙戦術は常とう手段となっている。

◆新しい選挙戦術 違法ではないが倫理面は「?」

 政治的な意思決定に影響を与えるために、教会や射撃場、投票所など有権者の位置情報を使うのは「ジオ・プロパガンダ」と呼ばれる新しい選挙戦術という。「信仰というデリケートな情報を収集すべきではない」との批判も上がるが、バーチ氏は「教会を訪れるのは何ら恥ずべきことではない」と意に介さない。

 選挙の情報操作を研究するテキサス大オースティン校のケイティ・ジョセフ上級研究員は「他の政治勢力より優位に立つために、何100万人もの行動を同意も得ず、追跡するのは倫理面で懸念がある」と指摘。一方で「現在は違法ではなく、規制されるまで利用できる技術は使われ続けるだろう」と語る。

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