新型コロナウイルスの感染拡大の防止に役立てようと、政府は6日、携帯電話やIT大手など企業が持つデータの活用について検討する会議を開いた。すでにデータの提供を各社に呼びかけており、応じる動きも出ている。ただ、データの種類や量によっては、個人のプライバシーを侵害するリスクが高まりかねない。
「感染拡大が急ペースで進行しており、新たな技術の活用をスピード感を持って進めることが大事だ」。新型コロナ対応を担当する西村康稔経済再生相は会議の冒頭、こう話した。
この日の会合には、IT大手ヤフーやグーグル日本法人のほか、携帯電話大手の担当者などがウェブ会議で参加した。政府は先月31日、これらの企業に対してデータ提供を呼びかけていた。外出自粛要請や、人との接触を避ける「社会的距離の確保」など感染拡大の防止策の有効性を確かめるために使う、との説明だ。
提供を受けるデータは、スマホを持つ利用者の位置情報や、多く検索された言葉の履歴などを想定している。特定の場所にどの年代の人が集まるかなどの傾向をつかむことができ、事後の検証で集団感染が起きた地域を特定しやすくなり、感染予防に役立てることができるという。
政府が要請している情報は、「法令上の個人情報には該当しないデータに限る」としており、個人の特定に結びつかない統計加工がされたものだという。ただ、政府の感染症対策の専門家会議は、用途を限定した「パーソナル(一人一人の)データの活用も選択肢のひとつ」として、議論を始めるよう提言した。
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感染防止にスマホ位置情報 政府検討、プライバシーは? - 朝日新聞デジタル
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