新型コロナウイルスの感染が広がる中、愛知、岐阜、三重の3県は10日、外出自粛などを求める独自の宣言を出した。企業への影響が大きい休業要請などは今のところ見送っているが、中部企業の経営は厳しさを増している。官民に求められる今後の方策について、名古屋商工会議所新瑞支部の土井宏二支部長と、東京商工リサーチ名古屋支社の釣場想平情報部課長に聞いた。
■「支援情報伝える仕組みを」 土井氏

名古屋商工会議所新瑞支部の土井宏二支部長
――中部企業の経営状態をどう見ていますか。
「急速に悪化している。新型コロナウイルスの感染拡大で経営が苦しいという相談は3月に入って急増した。3月下旬ころになると『このままでは会社がもたない』といった声が多くなり、逼迫感が増した。少し前は飲食業の相談が大半だったが、今ではさまざまな業種に広がっている」
――どのような相談がありましたか。
「ある食品製造会社はマスクの入手困難で生産ラインに人を配置できずに稼働が滞っているという。ハウスメーカーでは中国で製造する衛生陶器の輸入が止まり、物件を引き渡せないでいる。移動自粛で観光業界は大打撃を被ったが、その余波で旅行パンフレットの需要が蒸発し、印刷業の経営にも打撃を与えている」
「目先の支払いに備えて資金を確保する必要がある。自治体や日本政策金融公庫の窓口は相談者が殺到してパンク状態だ。前倒しで動かないと間に合わなくなる可能性もある」
――中部企業は財務力の高さを強みとしてきました。
「自動車産業を中心に製造業が強く、全国と比べて無借金企業が多い。裏返すとメインバンクをもたない企業も多い。金融機関と普段から付き合いがあれば融資などに柔軟に応じてもらいやすいが、与信取引の実績がないとそうはいかない。メインバンク不在は平時であれば問題ないのかもしれない。経済危機ではその弱みが露呈する」
――国や自治体、政府系金融機関の緊急支援策は十分と言えますか。
「特別貸し付けなどを利用するには新型コロナの影響で売上高が前年比で減ったことを証明する必要がある。起業や開業から間もない企業、個人事業者は売り上げ不振が新型コロナの影響かどうかの判断が難しい。セーフティーネットの網からこぼれる事業者が出ている」
――国は特例措置などを追加しています。
「雇用調整助成金に特例が設けられた。平時であればこうした情報を取りこぼすことはないが、我々もホームページで知るといったケースが増えている。情報伝達網の整備は急務だ」
(聞き手は湯浅兼輔)
■「支払い猶予や補助金急務に」 釣場氏

釣場想平・東京商工リサーチ名古屋支社情報部課長
――新型コロナウイルスの影響による経営悪化はどのような企業で目立ちますか。
「当初はインバウンド(訪日外国人)向けに事業を展開していた企業から始まった。現在は外出自粛が広がったため、訪日客向けに限らず、観光や飲食などのサービス業、小売業といった消費者向けの企業で幅広く悪化が目立っている」
「今後は中部地方の産業を担う自動車や工作機械、航空機といった製造業にも影響が波及するだろう。中国経済の減速による設備投資の鈍化で、2019年度の企業業績は悪化傾向に転じていた。そこに新型コロナの影響が追い打ちを掛けた」
「工場の操業が止まり、売り上げが立たない中で従業員への賃金などの支払いをし続ければ、当然資金繰りは逼迫する」
――そのほかの業種ではいかがですか。
「製造業などの完成品を運ぶ運輸業にも逆風が吹くだろう。そして消費自体が停滞していくと不動産など、ほぼ全ての産業に影響は広がる」
――新型コロナの余波で経営破綻した企業も出始めました。
「経営破綻は旅館業などから起きているが、まだ手続き中のため、倒産が確定したのは1件もない。一方で08年のリーマン危機や11年の東日本大震災の例にならうと、倒産件数は3カ月ほどたった頃から急増してくる」
――20年度の倒産はどれほど増えそうですか。
「19年度の中部3県の倒産は800件弱だったが、足元の景況感を踏まえれば、震災直後だった11年度の1100件強も上回ってくる可能性がある。19年度比なら4割ほど増加するペースだ」
――過去の経済危機との違いはありますか。
「リーマン危機の時は金融機関からの資金の流れが止まり、大企業から中小企業に影響が波及した。今回はヒトやモノから流れが止まり始め、中小企業から影響を受けている点が違う」
――話を聞く経営者の声はいかがですか。
「総じて『こんな状況は経験したことがない』との反応だ。中には『苦笑いを浮かべるしかない』との方もいた」
――倒産件数を少しでも減らすにはどうしたらよいですか。
「経済が止まった状況が改善するめどがたっていない点が新型コロナによる影響の最大の問題だ。もちろん早期に感染が収束に向かうのが一番だが、現状ではその兆しが見えないため、支払い猶予や各種の補助金といった、政策面でのサポートが急務と言える」
(聞き手は野口和弘)
■官民で融資円滑に
中小企業や個人事業者の資金繰りは日を追うごとに逼迫している。飲食店経営者などからは「家賃や光熱費の支払いさえままならない」といった悲鳴のような声があがる。
国や自治体は支援制度を相次ぎ打ち出したが、窓口に相談者が殺到してパンク状態になっている。民間金融機関や商工会議所などと連携しながら書類の受け付け、審査、融資実行をスムーズに進める工夫が求められる。
中部の大手や中堅企業は「リーマン・ショックのような危機に備える」として、保守的と言われるほどに財務の健全性を高めてきた。余裕のあるうちに資金を厚めに手当てするなどして雇用を守り、不安の輪が広がらないように努めてもらいたい。
(湯浅兼輔)
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April 13, 2020 at 01:10PM
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「情報伝達を」「支払い猶予も」 中部企業の支援策は - 日本経済新聞
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